ソーシャルレンディング事件簿

クラウドバンクが行政処分を2回受けた理由は?|復活の理由まで解説

クラウドバンクは現在では業界屈指のシェアを持つソーシャルレンディング事業者です。償還率100%の実績と豊富で多彩なファンドで投資家からも人気です。

しかし、クラウドバンクは過去に2度の行政処分を経験しています。行政処分歴があると聞いて、「クラウドバンクに投資しようと思ってたけど不安……」と感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではクラウドバンクが受けた2度の行政処分の内容を解説し、クラウドバンクがなぜ現在でも投資家から人気を集めているのか解説していきたいと思います。

新人 みのり
新人 みのり
クラウドバンクが2度も行政処分を受けているって聞いたんですけど、投資しても大丈夫な会社なんでしょうか……?
編集長 わさ
編集長 わさ
クラウドバンクが2度行政処分を受けているのは本当だよ。

1度目は投資家から預かったお金と会社のお金をわけて管理する分別管理が適切にできてなかったことなどから、3ヶ月の業務停止処分を受けた。

2度目は投資家に手数料を還元するキャンペーンをしたのに手数料を還元してなかったこと、案件で投資家に誤解を与える表記をしてしまったことから業務改善命令を受けたんだ。

新人 みのり
新人 みのり
それは良くないですね……。クラウドバンクはどうやって信頼を取り戻したんですか?
編集長 わさ
編集長 わさ
1回も貸し倒れを起こさなかったことが1番大きいんじゃないかな。

それ以外にも、クラウドバンクは行政処分を受けた内容をすばやく改善して、役員の総入れ替えも行って信頼の回復につとめたんだ。

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クラウドバンクとは?


クラウドバンクは日本クラウド証券が運営を行っているソーシャルレンディング事業者です。2013年に営業を開始した、ソーシャルレンディング業界では老舗の事業者です。

2019年現在、クラウドバンクの償還率は100%であり、累計応募額は650億円を超えており、業界3位です。豊富な種類の案件があるのが魅力で、今もっとも勢いのあるソーシャルレンディング事業者のひとつと言えるでしょう。

行政処分歴①:2015年7月

クラウドバンクが最初に行政処分を受けたのは2015年7月のことでした。行政処分の概要は以下のとおりです。

問題点 ・分別管理を適切に行ってなかった
・顧客に対して必要な情報を適切に通知してなかった
処分3ヶ月間の一部業務停止処分
対応 ・業務システムと会計システムをアップデート
・社内の管理体制の整備

それぞれ見ていきましょう。

問題点

クラウドバンクが行政処分を受けたのは、以下の2つの問題点があったからです。

ちなみに、問題点の詳細については関東財務局がコチラのページで公表しています。

分別管理を適切に行ってなかった

分別管理とは、投資家から預かった資産と金融機関が保有する自社の資産をわけて管理することです。分別管理を行っていれば、たとえ金融機関が倒産しても投資家の資産はきちんと返還されます。

金融機関はこの分別管理を行う義務があります。ソーシャルレンディング事業者も例外ではありません。

しかし、当時のクラウドバンクは投資家からどのくらいのお金を預かっているか把握できていませんでした。そのために必要な業務システムの整備が追いついていなかったからです。

分別管理ができていないのは金融機関として問題外の行為です。行政処分を受けたのも当然と言えます。

顧客に対して必要な情報を適切に通知してなかった

クラウドバンクは当時も現在も、取引残高報告書というものを作成しています。これは、入出金、償還・分配などクラウドバンクで行った取引の内容と投資中のお金の残高について書かれたものです。

クラウドバンクは業務システムを使って取引残高報告書を作成していました。しかし、取引量が増えるにつれ、だんだん取引内容の入力が遅れるようになっていきました。

これにより、まだ入力できていないところがある不正確な取引残高報告書を交付してしまったのです。

処分:3ヶ月間の一部業務停止処分

関東財務局は以上のような問題を指摘した上で、クラウドバンクを3ヶ月間の一部業務停止処分にしました。具体的に停止された業務は以下のとおりです。

  • 匿名組合の出資持分の募集の取扱い業務のうち、新規の勧誘を伴う業務
  • グリーンシート銘柄の売買等業務のうち、新規の勧誘を伴う業務
  • 匿名組合の出資持分の募集の取扱い業務及びグリーンシート銘柄の売買等業務以外の金融商品取引業に係る新規の業務

何やら難しい言葉が並んでますね。ソーシャルレンディングに関するところで言うと、3ヶ月間、案件を募集する業務の停止処分を受けたことになります。

対応

クラウドバンクは行政処分を受けて、主に以下の2つを改善しました。

業務システムと会計システムをアップデート

今回、クラウドバンクが行政処分を受けてしまった原因は、取引量の増加に業務システムが追いつかず、取引のデータを取り込むのに時間がかかっていたからです。

これを解決するため、クラウドバンクは業務システムをアップグレードし、会計システムを機能が充実したものに変更し、取引量の増加に対応しました。

社内の管理体制の整備

行政処分を受けるまで増加する取引量に業務システムが追いついていなかったのも、クラウドバンクが行政処分を受けてしまった原因と言えます。

そこで、クラウドバンクは社内の管理体制の整備も行いました。具体的には、3つの対応を行いました。

 

まず1つ目としてバックオフィスの人員を増やし、業務全般のチェック体制を強化し、コンプライアンス機能の強化を行いました。

次に2つ目として業務フローや規定の整備を行い、それを適切に運用するため人員の再配置を行いました。

そして3つ目としてそれぞれの部署の責任を明確にしました。

行政処分歴②:2017年6月


クラウドバンクは2017年6月に2度目の行政処分を受けました。行政処分の概要は以下のとおりです。

問題点 ・手数料還元キャンペーンの手数料が還元されなかった
・事実関係と異なる融資を行っていた
処分業務改善命令
対応 ・きちんと手数料を還元
・広告掲載業務の改善
・役員の総入れ替え

それぞれ見ていきましょう。

問題点

クラウドバンクが行政処分を受けたのは、以下の2つの問題点があったからです。

ちなみに、問題点の詳細については関東財務局がコチラのページで公表しています。

手数料還元キャンペーンの手数料が還元されなかった

クラウドバンクは2014年5月~2015年5月まで、一部の案件で手数料を還元するキャンペーンを行っていました。

クラウドバンクは借り手企業に融資する金利と投資家に分配する利回りに差をつけて利益を得ているのですが、その利益の一部を分配するキャンペーンを行っていたのです。

しかし、実際にはキャンペーン対象者に対する手数料の還元を一切行っていませんでした。

事実関係と異なる融資を行っていた

2回目の行政処分では事実関係と異なる融資を行っていたことも問題になりました。クラウドバンクは2016年、一部の案件を募集する時に「SPC(特別目的会社)のメザニンとして6億円の融資を実行」と表示していましたが、実際は「不動産開発事業に投資を行う事業会社」に融資していたのです。

難しい言葉がたくさん出てきましたが、簡単に言うと、記載と異なる会社に融資していた、ということです。これについては証券取引等監視委員会がわかりやすい図を公表しています。


また、この案件では投資によるリスクの説明にも問題がありました。「返済が滞った場合も別の出資者のエクイティがあるので投資家お元本は守られる」という記載をしていたのにもかからわず、実際「別の出資者のエクイティ」にあたるものは55万円しかありませんでした。

これも難しい言葉が並んでますが、簡単に言うと、投資によるリスクが実際より低いと誤解を与えるような表示がされていたのです。これについても証券取引等監視委員会が図を公表しています。

処分:業務改善命令

2回目の行政処分では業務改善命令が下されました。

対応

クラウドバンクは行政処分を受けた当日にプレスリリースを発表し、行政処分を受けた2点について以下のような3つの改善を行っていたことを公表しました。

ちなみに、詳しい対応については、クラウドバンクがコチラのページで発表しています。

きちんと手数料を還元

きちんと手数料を還元してなかったのは前代表取締役の指示によるもので、行政処分を受けた時点ではきちんと手数料を還元し、投資家に支払い済みになっていました。

広告掲載業務の改善

クラウドバンクは広告掲載業務の改善も行いました。具体的には、Web上の表記については2017年1月27日に修正しています。そして、この案件については遅延なく全額償還済みになっているようです。

また、2016年11月から広告作成責任者と広告審査責任者がファンド営業者の融資審査に同席するようにして、誤解を与えるような表記がされないような態勢になっているようです。

役員の総入れ替え

クラウドバンクは2016年に代表取締役・営業担当取締役・財務経理担当取締役が交代し、新しい経営体制で業務にあたることになりました。

新体制のもとで業務の改善に取り組んでいます。

編集長 わさ
編集長 わさ
2回目の行政処分では処分を受ける前に改善が行われていました。

行政処分を受けるようなことをしたのは良くないですが、自主的に改善していたのは評価できると思います。

2度の行政処分を受けてもクラウドバンクが人気な理由


以上のように、クラウドバンクは過去に2度も行政処分を受けています。それにも関わらず現在では累計応募額が業界3位になるほど人気のある事業者です。その理由は主に以下の3つだと考えられます。

  • 累計応募額が650億円以上なのに償還率100%を維持しているから
  • 行政処分の対応がよかったから
  • テーマが豊富だから

それぞれ見ていきましょう。

累計応募額が650億円以上なのに償還率100%を維持しているから

ソーシャルレンディングの最大のリスクは貸し倒れで投資したお金が失われることです。しかし、クラウドバンクは650億円という業界3位の累計応募額を持ちながら、いまだに貸し倒れを起こしたことがありません。

maneo(累計応募額業界1位)もSBIソーシャルレンディング(2位)も貸し倒れを起こしたことがあるので、クラウドバンクは貸し倒れを起こしたことがない事業者の中でもっとも累計応募額が大きくなっています。

これがクラウドバンクが投資家から信頼を得ている最大の理由と言えます。

行政処分の対応がよかったから

行政処分歴がないに越したことはありません。一度でも行政処分を起こしてしまうと、投資家の信頼は大きく失われてしまいます。

また、行政処分への対応はその事業者の運命を決めると言って間違いないでしょう。十分な改善をせずに時間稼ぎをするような発表をしたり、投資家に十分な情報公開を行わなかったりすると、投資家からの信頼は地に落ちてしまいます。

しかし、クラウドバンクはすぐに具体的な改善策を発表するなど行政処分への対応が優れていました。これにより、なんとか投資家から見放されずに済んだのだと思います。

編集長 わさ
編集長 わさ
1回目の行政処分はきちんと対応したとはいえ重大な問題だったけど、当時はまだ知名度が高くなかったから、それに助けられた部分は大きいかもね。

テーマが豊富だから

ソーシャルレンディング業界ではひとつのテーマだけにしぼった事業者が多いです。特に不動産関係の案件にしぼっている事業者が多い印象があります。しかし、テーマは分散させたほうが、投資の安全性は高くなります。

一方、クラウドバンクは以下のような豊富なテーマを扱うソーシャルレンディング事業者です。

  • 太陽光発電ファンド
  • アメリカ不動産ファンド
  • 香港中小企業支援ファンド
  • バイオマス発電ファンド
  • 水力発電ファンド
  • 風力発電ファンド
  • 国内中小企業支援ファンド

豊富なテーマを扱う事業者は少ないので、多くの投資家がクラウドバンクを利用するのかもしれません。

まとめ

クラウドバンクは過去に2回行政処分を受けています。

1回目の行政処分の内容とクラウドバンクがとった対応は以下のとおりです。

問題点 ・分別管理を適切に行ってなかった
・顧客に対して必要な情報を適切に通知してなかった
処分3ヶ月間の一部業務停止処分
対応 ・業務システムと会計システムをアップデート
・社内の管理体制の整備

2回目の行政処分の内容とクラウドバンクがとった対応は以下のとおりです。

問題点 ・手数料還元キャンペーンの手数料が還元されなかった
・事実関係と異なる融資を行っていた
処分業務改善命令
対応 ・きちんと手数料を還元
・広告掲載業務の改善
・役員の総入れ替え

そして、2回も行政処分を受けているクラウドバンクが現在でも投資家から人気を集めている理由は以下のとおりです。

  • 累計応募額が650億円以上なのに償還率100%を維持しているから
  • 行政処分の対応がよかったから
  • テーマが豊富だから
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