ソーシャルレンディングの基本

【FPが解説】ソーシャルレンディングの貸し倒れとその対策とは?

ソーシャルレンディングの最大のリスクは貸し倒れです。

このようによく言われていますし、私もそう思います。ただ、このように言われても以下のように感じる方が多いと思います。

「そもそも貸し倒れって何?」
「ソーシャルレンディングで貸し倒れが一番のリスクなのはどうして?」

そこで、この記事ではファイナンシャルプランナー&ソーシャルレンディング投資家の私がソーシャルレンディングの貸し倒れについて詳しく解説しています。

貸し倒れについてすぐわかる記事になっているので、ぜひご覧ください。

新人 みのり
新人 みのり
編集長! わたし貸し倒れがこわいです!
編集長 わさ
編集長 わさ
確かに貸し倒れが起こると大きな損失になっちゃうから大きなリスクだよね。
新人 みのり
新人 みのり
貸し倒れにはどんな対策を行ったらいいですか?
編集長 わさ
編集長 わさ
貸し倒れには以下のような対策が有効だよ。

  • 信頼できる事業者を選ぶ
  • 分散投資を行う
  • 担保がある案件を選ぶ
  • 保証がある案件を選ぶ
  • 利回りが高すぎない案件を選ぶ
  • 運用期間が短めの案件を選ぶ
新人 みのり
新人 みのり
なるほど!

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貸し倒れとは


貸し倒れとは、貸付金などの債権が倒産などの理由で回収できず損失になることです。債権とはある者がある者に対して一定の行いを請求できる権利のことです。

ソーシャルレンディングでは、借り手企業が事業の失敗などにより倒産したりして投資したお金が返ってこなくなることを貸し倒れと呼びます。貸し倒れが起こると利息だけでなく元本の一部もしくは全部も失われてしまうのでソーシャルレンディング最大のリスクと言えます。

 

もちろん、借り手が期日になってもお金を返してくれない場合、ソーシャルレンディング事業者はできる限りお金を回収しようと努力します。

具体的には、まず催促を行います。そして、それでも返してくれない場合で、担保や保証がある場合には、その権利を行使してお金を回収します。たとえば、不動産の担保がある場合には、その不動産を売却して資金を回収します。

次に、それでも足りない場合には借り手からお金を返してもらう権利をサービサーという専門業者に売り、個人投資家に返済する資金にします。

ただ、これでも足りない場合、ソーシャルレンディング事業者が自腹を切って個人投資家にお金を返済することはありません。最終的に貸し倒れのリスクは個人投資家が負うことになります。

 

そんな貸し倒れはラッキーバンク、グリーンインフラレンディングなど複数の事業者で起こっていますし、maneoなどの大手ソーシャルレンディング事業者でも起こっています。

では、貸し倒れはいったいどのくらいの確率で起こっているのでしょうか。

貸し倒れが起こる確率

クラウドポート社によると2015年から2017年までの3年間の貸し倒れ率は1.47%でした。これは多いと感じる人もいるかもしれませんが、ソーシャルレンディング業界全体の数字です。

きちんと事業者を選べば貸し倒れリスクはさらに下げることができます。その証拠に、ソーシャルレンディング事業者大手のほとんどではいまだ貸し倒れが起こっていません。

貸し倒れと返済遅延


貸し倒れと似た言葉に返済遅延があります。返済遅延とは返済するまでの期間が延長されることです。返済遅延が起こると運用期間が長くなるのでその間お金が引き出せなくなるため不便です。

しかし、運用期間が長くなるため、返済が行われた場合、得られる利益は大きくなります。返済遅延の場合にはその後貸し倒れてしまうこともありますが、お金が返ってくることも多くあります。

返済遅延は貸し倒れと比べて多く起こりますが、これが起こった場合にはソーシャルレンディング事業者から随時報告があるので注視したほうがいいでしょう。

貸し倒れにあわないための6つの対策


貸し倒れにあう確率を下げるためには以下のような対策を行っていく必要があります。

  1. 信頼できる事業者を選ぶ
  2. 分散投資を行う
  3. 担保がある案件を選ぶ
  4. 保証がある案件を選ぶ
  5. 利回りが高すぎない案件を選ぶ
  6. 運用期間が短めの案件を選ぶ

①信頼できる事業者を選ぶ

貸し倒れ対策として一番重要なのは、信頼できる事業者を選ぶことです。なぜなら、借り手企業に返済能力があるかどうか審査を行っているのはソーシャルレンディング事業者だからです。

そして、ソーシャルレンディング事業者の中には信頼できる事業者から、詐欺まがいのことをして行政処分を受けた事業者までいます。

信頼できる事業者の選び方は以下の記事で詳しく解説しています。

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②分散投資を行う

分散投資とは、投資対象を多様化させることで投資におけるリスクを減らして安定的に利益を得る方法です。たとえば、分散投資を行わずに1つの案件だけに投資してそこで貸し倒れが起こってしまった場合、投資資金の大半を失ってしまいます。

この時、分散投資を行っていれば失う資金は一部だけで済みます。

ソーシャルレンディングでは投資する案件や事業者は分散させたほうがいいでしょう。分散投資については以下の記事で詳しく解説しています。

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③担保がある案件を選ぶ

担保とは、借り手が返済できなくなった時に備えてあらかじめ借り手が貸し手に提供するもののことです。担保があれば借り手が返済できなくなっても担保を売却し、資金を回収することができます。

しかし、担保があれば必ず安心というわけではありません。担保が思ったより低い値段でしか売れない場合もあるからです。設定されている担保がどのくらい強固なのか確かめるためには、以下の3点に注目する必要があります。

  1. LTV
  2. 担保順位
  3. 担保の換金性

それぞれ見ていきましょう。

1. LTV

LTVは担保の強固さを表す指標です。以下の計算式で算出することができます。

LTV = 貸付額 ÷ 担保の価格

計算式からもわかるとおり、LTVは低いほど強固な担保と言えます。LTVは80%以下が理想的と言われています。

2. 担保順位

担保には第一順位、第二順位などの順位があります。これは優先度のようなもので、借り手が返済できなくなって担保を売った時には、第一順位が先に返済のためにお金を得ることができます。

そのため、基本的には担保順位は第一順位であることが望ましいです。ただ、銀行が第一順位でソーシャルレンディング事業者が第二順位だった場合はある程度返済能力がある案件だと言えます。

なぜなら、銀行はソーシャルレンディング事業者よりも厳しい審査を行っているからです。銀行からお金を借りることができた企業なら、返済能力は高いと言えます。

3. 担保の換金性

換金性とは、お金への換えやすさのことです。たとえば、不動産の場合には売りたい人も買いたい人も多いため、お金へ換えやすい担保です。一方、太陽光の事業権利のように需要がそこまで高くない担保の場合には、換金性は低いと言えます。

換金性が低いと足元を見られて思ったより安い価格で買い叩かれてしまうこともあります。担保の換金性は高いに越したことはありません。

編集長 わさ
編集長 わさ
担保はコチラの記事で詳しく解説しています。

④保証がある案件を選ぶ

保証とは、借り手が返済できなかった時に代わりの第三者が返済する約束のことです。保証は担保ほどではないにしろ、あると安心度が上がります。

保証には以下の3種類があります。

  1. 個人連帯保証:借り手企業の代表者や役員などによる保証
  2. 関連会社保証:借り手企業に関連する会社による保証
  3. 保証会社による保証:保証が専門の会社による保証

3種類のうち③の保証会社による保証が一番信頼でき、①の個人連帯保証が一番信頼できない保証です。なお、保証は以下の記事で詳しく解説しています。

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⑤利回りが高すぎない案件を選ぶ

利回りが高い案件はどうしても魅力的に映ってしまいますが、利回りが高い案件にはそれなりのリスクもあります。「リターンが大きいほどリスクも高い」というのは投資の大原則ですが、ソーシャルレンディング投資も例外ではないのです。

ソーシャルレンディングには10%以上の高い利回りをもった案件もありますが、これはつまり、ソーシャルレンディング事業者はこれよりも高い金利で借りて企業に融資を行っているということです。

当たり前の話ですが、融資を受ける側はできるだけ金利が低いところから借りようとします。高い金利でしか借りることができないということは、それだけ返済能力が低いということです。

そのため、高利回りの案件では貸し倒れリスクが高くなります。10%以上の利回りがある案件に投資する時には、借り手企業に本当に返済能力があるかどうか見極める必要があるでしょう。

 

ちなみに、融資先への金利は私たち投資家が思っているよりも高いことがあります。ソーシャルレンディング事業者は投資家への利回りに加えて自社の利益(営業者報酬)を足してお金を貸し出しているからです。

たとえば、投資家への利回りが10%で営業者報酬が5%だった場合には、企業へ貸し出す時の金利は15%ということになります。

本当に重要なのは投資家への利回りではなく、企業へ貸し出す時の金利です。しかし、営業者報酬が明示されていることは少ないのが現状です。

編集長 わさ
編集長 わさ
僕は10%を超える案件は貸し倒れリスクが怖いので投資しないようにしています。

⑥運用期間が短めの案件を選ぶ

ソーシャルレンディングの運用期間はさまざまで、1ヶ月の案件もあれば、36ヶ月の案件もあります。ソーシャルレンディングで投資を行うなら運用期間が半年以内の案件がおすすめです。

運用期間が長いほうが再投資の手間が少なくていいのですが、運用期間が長いとそれだけリスクもあります。それは、なにかあった時の対応が遅くなってしまうことです。

たとえば、不動産案件に投資していて不動産業界が大暴落を起こしてしまった場合、運用期間が短期ならすぐに不動産案件から引きあげることができますが、長期の場合には対応がとても遅くなってしまいます。

貸し倒れが起こった時の確定申告


この項では貸し倒れが起こった場合の確定申告について解説していきたいと思います。

 

ソーシャルレンディングは雑所得ですが、雑所得は税制上不利な扱いをされています。雑所得では損益通算をすることできないため、雑所得が赤字になっても所得は0円として扱われ、マイナスになることはありません。

そのため、雑所得でいくら赤字を出しても、ほかの所得から引くことはできません。

たとえば、給与収入が500万円で、ほかの収入源はソーシャルレンディングだけの人がいるとします。この人のソーシャルレンディングでの収入が0円でも、50万円の損失を出しても、税金はまったく同じになってしまいます。

 

ただ、ソーシャルレンディングで損失が出た時の確定申告が無意味というわけではありません。ほかの案件で分配金をもらっているなら、その利益から必ず源泉徴収されています。確定申告を行えば、この源泉徴収されたお金の一部もしくは全部を取り戻すことができるのです。

また、ソーシャルレンディングのほかに雑所得にあたる所得がある場合にも無意味ではありません。同じ雑所得であれば損益通算をして所得を減らすことができるからです。

ちなみに、貸し倒れになることがわかっていても、損失額が確定していない場合には、確定申告を行うことはできません。その損失は損失額が確定した年の確定申告で扱うことになります。

まとめ

ソーシャルレンディングでは、借り手企業が事業の失敗などにより倒産したりして投資したお金が返ってこなくなることを貸し倒れと呼びます。また、返済遅延とは返済するまでの期間が延長されることです。

貸し倒れのリスクを抑えるためには以下のような対策が有効です。

  1. 信頼できる事業者を選ぶ
  2. 分散投資を行う
  3. 担保がある案件を選ぶ
  4. 保証がある案件を選ぶ
  5. 利回りが高すぎない案件を選ぶ
  6. 運用期間が短めの案件を選ぶ

ちなみに、貸し倒れが起こってしまった場合、確定申告を行うと源泉徴収された分配金の一部もしくを全部を取り戻せる可能性があります。

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