ソーシャルレンディング事件簿

ラッキーバンクはなぜ集団訴訟を起こされたのか【2020年最新】

みなさんはラッキーバンクというソーシャルレンディング事業者を知っていますか?

ラッキーバンクにあまり良い思い出がないという人も多いと思います。一方、ラッキーバンクについてほとんど知らないという人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではラッキーバンクがどのような事業者で、どのような事件を起こしたのかファイナンシャルプランナーのわさが解説していきたいと思います。

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ラッキーバンクとは?


ラッキーバンクは不動産に特化したソーシャルレンディング事業者です。平均利回りは9%と比較的高く、すべての案件で担保が設定されていることから人気を集めました。

募集が殺到し、1分程度で募集が終了したこともありました。サービス開始から3年で125億円以上を集めたことからも人気が感じられます。

しかし、人気の事業者であったラッキーバンクにはとんでもない裏がありました。

 

金融庁の調査により、ほとんどの金額を身内の会社に甘い審査で貸していたことが明らかになったのです。最終的に、投資家には投資した金額の32.47%程度しか返ってきませんでした。

この結果を受けて、ラッキーバンクは第二種金融商品取引業の登録取り消し処分を受け、ソーシャルレンディング事業を続けるのが不可能になりました。

また、ラッキーバンクは現在、個人投資家45人から計2億7千万円の損害賠償を求める集団訴訟を起こされています。

「ラッキーバンク事件」の詳細

ラッキーバンクはどのような経緯で、投資家に多額の損害を与える事件を起こしてしまったのでしょうか。以下がラッキーバンクが起こした事件、通称「ラキバン事件」の年表です。

2014年12月 ラッキーバンクサービス開始
2015年 越後氏が健康上の理由から社長を退任。田中氏が社長になる
2017年7月 大和証券元常務の野島氏が副社長に就任
2018年2月 累計募集金額が150億円を突破する
2018年3月2日 関東財務局から行政処分を受ける
2018年3月9日 投資家を集めて説明会を開催する
2018年5月 ほぼ全案件で返済が遅延する
2018年12月4日 あおい法律事務所がラッキーバンク訴訟の説明会を実施
2018年12月5日 債権が譲渡され、投資家の損失が確定する
2019年1月8日 投資家に残ったお金を分配する
2019年1月21日 個人投資家45人がラッキーバンクを提訴する
2019年3月14日 ラッキーバンクの第二種金融商品取引業の登録が抹消される

「ラッキーバンク事件」について詳しく見ていきましょう。

2014年:ラッキーバンクサービス開始

そもそも、ラッキーバンク創業者の田中翔平氏がソーシャルレンディングに興味を持ち始めたのは2012年ごろです。当時、業界1位だったmaneoなどの研究をはじめました。

研究の中で、不動産に特化したソーシャルレンディング事業者がないことに気づいたそうです。現在ではオーナーズブックレンデックスなど不動産に特化した事業者は多いですが、当時サービスを行っていたのはmaneo、SBIソーシャルレンディングAQUSH(※現在はサービス終了)程度で、どの事業者も不動産に限らず幅広い案件を扱っていました。

 

田中氏は2014年5月にはラッキーバンク・インベストメント株式会社を設立します。最初は共同創業者の越後篤氏が社長で、田中氏は副社長でした。

そして、2014年12月、ラッキーバンクはサービスを開始しました。

2014~2017年:高い利回りと全案件担保付きで人気を集める

ラッキーバンクはサービスを開始すると、順調に人気を集めていきました。

理由は2つあります。それは、利回りが高かったことと、全案件担保がついていたことです。安全性が高いのにリターンが大きいのは魅力的に見えますよね。

2015年には越後氏が健康上の理由から社長を退任し、田中氏は社長になります。2017年7月には大和証券元常務の野島斌氏が副社長に就任します。

田中氏はまだ20代で若かったため、実績のある野島氏(2017年当時77歳)を副社長につけることで、信頼性を底上げしたかったものと思われます。

田中氏(左)と野島氏(右)

[出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20115690Y7A810C1000000/]

ラッキーバンクは人気を集め続け、2018年2月には累計募集金額150億円を突破することになります。

これはソーシャルレンディング業界ではかなりはやいペースでした。それだけ人気があったことがわかります。

2018年3月:関東財務局から行政処分を受ける

順調に成長していたラッキーバンクの化けの皮がはがれたのは2018年3月2日のことでした。

ラッキーバンクは、関東財務局から行政処分を受けたのです。関東財務局によると、行政処分の内容は以下のとおりでした。

ちなみに、下で行政処分の内容について簡単に解説しているので、原文は興味のある方だけお読みください。

1.ラッキーバンク・インベストメント株式会社(本店:東京都中央区、法人番号3010001160426、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成30年2月20日付)

当社は、当社ウェブサイト及びウェブサイト内の会員ページにおいて、法人向けローンを出資対象事業とする匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。貸付先のほとんどは、田中 翔平 代表取締役(以下「田中社長」という。)の親族が経営する不動産事業を営むX株式会社(以下「X社」という。)となっており、田中社長を含む取締役全員がX社における不動産事業の会議に参加し各事業の進捗状況等の報告を受けているほか、平成28年4月から同29年2月までの間においては、内部管理責任者である取締役をX社の不動産事業部に兼務させるなど、当社とX社は密接な関係の中業務を行っている(平成29年8月末現在、償還期限が到来していないファンドは、185本、出資金約62億円)。

当社を検査した結果、ファンド出資持分の取得勧誘に関して下記の問題が認められた。

〇 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

(1) 貸付先の審査につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、ウェブサイト上で公表している取引約款等において、貸付事業に係る貸付先の選定に関し、「借入人から借入れの申し込みがなされた場合には、あらかじめ当社が定める内規に従い審査を行い、当社が適当と判断する申込みについて、ファンドの募集手続に付す。」旨を、また、広告サイトにおいて、「当社は、借入申込者の信用力を厳密に評価します。提出書類(決算書・事業計画書・収支計画書など)に基づき融資の可否を判断します。」旨を表示しているが、当社の貸付審査の状況を検証したところ、X社より提出された財務諸表において、売却契約の締結に至っていない物件を売上に計上するなどして、純利益や純資産が水増しされているにもかかわらず、これを看過していたほか、X社が手掛ける複数の不動産事業について事業期間が延長となる事態が発生し、この間、X社は売却資金を得られず、同29年3月以降に償還期日を迎えるファンドに係る借入金の返済が困難な状況となっていることを認識したにもかかわらず、その後もX社を貸付対象先とするファンドの募集を継続している。
以上のとおり、当社のウェブサイト上等の表示は、一般の出資者が読んだ場合、当社において、貸付先の信用力を評価するための具体的かつ客観的な内部基準に従った審査が行われるなど、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとの認識を与えやすいと考えられるところ、当社においては、上記のとおり、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとは認められない状況にあり、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる貸付先の審査について、あたかも、慎重な手続きによって行われているかのような誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。

(2) 担保物件の評価につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、X社が保有する不動産に担保を設定して、X社への貸付けを行っているファンド318本のうち252本について、「不動産価格調査報告書」を当社ウェブサイト上の募集要領に掲載しているが、当該報告書は、正式な不動産鑑定評価を行った上で作成されたものではなく、対外的に公表できない不動産価格をウェブサイト上に掲載し、ファンド出資持分の募集を行っている。
以上のとおり、当社は、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる担保評価について、誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。

当社の上記(1)及び(2)の行為は、金融商品取引法第38条第8号(平成26年5月30日法律第44号による改正前は同条第7号)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に規定する「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。

2.このため、本日、当社に対し、金融商品取引法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

〇 業務改善命令
(1) 全顧客に対して、今回の行政処分に至った経緯及び事実関係を正確かつ適切に説明し、説明結果を報告すること。
(2) 今般の法令違反及び投資者保護上問題のある業務運営について、発生原因を究明し、改善対応策を策定するとともに実行すること。
(3) 責任の所在を明確にするとともに、貴社のファンド募集の貸付先審査等にかかる金融商品取引業者として必要な内部管理態勢を再構築すること。
(4) 顧客からの問い合わせ等に対しては、誠実かつ適切に対応するとともに、投資者間の公平性に配慮しつつ、投資者保護に万全の措置を講ずること。
(5) 上記の対応及び実施状況について、平成30年4月2日までに書面で報告するとともに、以降、そのすべてが完了するまでの間、随時書面で報告すること。

[出典:http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/pagekthp032000711.html]

行政処分の内容は簡単に言うと以下のとおりです。

  • 貸付先のほとんどが田中氏の親族が経営するX社であった
  • 売上や資産の水増しを見逃すザルな審査で貸し付けていた
  • 担保不動産の鑑定評価をきちんと行っていなかった
  • X社の財務状況が悪化し、返済が困難になっても案件の募集を続けた

ちなみに、X社は田中氏の親族(おそらく母親)である田中伊世子氏が経営するウィングトラスト株式会社だと推測されています。

田中伊世子氏

[出典:http://ryugi.blog.shinobi.jp/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%83%BB%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%EF%BC%88%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BAno.976%EF%BC%89]

ウィングトラスト社の2016年12月決算は約5億円の赤字・債務超過(※)であり、貸付先として適格ではないことは素人でもわかります。

これは「お母さんがお金に困ってたから、投資家をだましてお金を集めて援助した」と思われても仕方ありません。

  • 債務超過:資産をすべて売却しても負債を返済しきれない状態のこと

2018年3月:投資家を集めて説明会を開催する

行政処分を受けて、2018年3月9日に投資家を集めて説明会が開催されました。説明会は先着20名で開催されたため、ほとんどの人は参加できなかったようです。

説明会では田中氏が自ら行政処分などについて説明したようです。この説明会に参加した人のツイートがありました。

2018年5月:ほぼ全案件で返済が遅延する

2018年5月になると状況はさらに悪化します。ほぼすべての案件で大規模な返済遅延が起こったのです。

そして、返済遅延が起こっていた案件のほとんどは身内のX社(ウィングトラスト社)に貸していたものでした。

返済が遅れている案件に関して、ラッキーバンクは投資家にメールを送り、担保を売却するなどしてお金を回収すると説明しました。

しかし、何ヶ月待ってもまったく進捗はありませんでした。

2018年12月:あおい法律事務所がラッキーバンク訴訟の説明会を実施

2018年12月4日、あおい法律事務所がラッキーバンク訴訟の説明会を実施すると発表しました。あおい法律事務所は投資関係の被害に強い法律事務所です。

詳しくはコチラのページで述べられていますが、想定を超える人数からの相談があったため、12月10日には申し込みを締め切っています。

2019年11月現在、実際に集団訴訟が起こされたという情報はありませんが、内部では集団訴訟の準備が進められているのではないでしょうか。

2018年12月:債権が譲渡され、投資家の損失が確定する

2018年12月5日、投資家のもとに衝撃的なニュースが舞いこみます。

ラッキーバンクが債権回収会社への債権譲渡を発表し、投資家の損失が確定したのです。49億円の債権が16億円で譲渡されたため、投資家には投資した金額の32.7%しか戻ってこないことが確定しました。

これを聞いて、「融資先が返済できなかったのなら仕方ないか」と思った方もいるかもしれません。

しかし、ラッキーバンクの債権譲渡にはおかしなところがたくさんあります。

 

そもそも、前提として、ソーシャルレンディング事業者は投資家からお金を預かっているのですから、融資先からできるだけお金を回収するべきです。

そして、担保がある案件が返済遅延を起こした場合、ソーシャルレンディング事業者は以下の手順でお金を回収するのが一般的です。

上から実行していき、うまく行かない場合のみ下の手段を使います。

  1. 融資先に連絡し、催促する
  2. 内容証明郵便(※1)で督促状を送って催促する
  3. 担保を任意売却(※2)する
  4. 担保を競売(※3)にかける
  5. 債権を債権回収会社(※4)に譲渡する
  • 内容証明郵便(※1):郵便局が、「いつ、誰が誰に対してどのような内容の郵便を送ったのか」証明してくれる郵便。裁判で証拠書類として使える
  • 任意売却(※2):担保不動産を融資先の合意を得て、通常の方法に近い形で売ること
  • 競売(※3):担保不動産を強制的にオークションにかけること。任意売却より早く売れるが、売却価格は低くなる
  • 債権回収会社(※4):債権の回収を専門に行う会社。債権回収会社に債権を譲渡すると、少しはお金を回収できる

一方、ラッキーバンクはメールで以下の対応をしたと説明しました。これについても後で簡単に解説しますので、原文は興味のある方だけお読みいただければと思います。

X社及びF社に対する債権回収方法について
ラッキーバンク・インベストメント株式会社

この度、ラッキーバンク・インベストメント株式会社(以下「弊社」といいます。)は、X社及びF社(以下総称して「両社」という場合があります。)にかかる弊社の債権回収方法について、以下でご案内のとおり、外部の弁護士等と意見を交えながら社内で検討を重ねた結果、競争入札方式により最高額を提示した業者(以下「最高入札者」といいます。)に、平成30年12月6日付で、債権譲渡することを決定いたしました。両社が借入人となっているファンドにつきましては、後記「5.対象ファンド一覧」をご参照ください。

これまで弊社では、両社の返済が遅延して以降、お客様の利益の最大化を図るべく、任意売却による弁済を両社に求めてまいりました。また、任意売却が停滞している状況を踏まえ、不動産競売について検討も進めてまいりましたが、弊社の資金繰りでは、不動産競売にかかる一時的な費用(以下「予納金」といいます。)が捻出できない状況にありました。

今般の債権譲渡では、両社の債権総額約50億円に対して、譲渡額が約16億円となる予定であり、お客様の出資金に毀損が発生する見込みです。最終的な債権譲渡の金額は、本年12月6日以降、速やかにご通知いたしますので、誠に恐れ入りますが今暫くお待ちくださいますようお願い申し上げます。お客様に対しては、長期にわたり出資金の返還が遅れておりますこと及び出資金に毀損が発生する見込みでありますことを深くお詫び申し上げます。

なお、最高入札者等の名称等の詳細については、相手方との守秘義務により開示いたしかねます。何卒、ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

1. 任意売却の検討の経緯
本年5月以降、匿名組合契約(以下「ファンド」といいます。)にかかる金銭消費貸借契約に基づき、両社が期限の利益を喪失し、債務の一括弁済が必要となったため、弊社では、両社との債権債務関係を解消し、また、両社に対する弊社債権(以下「対象債権」といいます。)の回収の極大化を図るため、担保物件の売却による返済を求めてまいりました。

弊社では、定期的(週に一回程度)にまたは進捗があった場合は随時、X社との面談等により、各担保物件の売却の進捗状況について確認を行ってまいりました。また、販売活動に進捗が見られないものについては、X社に対し、早期の売却を実現するよう、販売方針、売却価額の見直し等を求めるなどの対応を行ってまいりました。

X社では、購入検討者の開拓を図るため、不動産販売会社数社に一般媒介を依頼し、媒介会社が紹介する購入検討者からの問い合わせに対して、媒介会社経由で対応しながら、販売活動をつづけてまいりました。

その結果、本年11月末時点までで、X社の保有する担保不動産20物件のうち、2物件が売却に至りました。また、他の一部の担保不動産についても、売却に向けた交渉が進んでいたものもございましたが、同月末現在、成約には至っておりません。加えて、一部の担保不動産については、X社の資金繰りが悪化したことで、当初計画していた改装工事等を中止せざるを得なくなり、販売活動自体に全く進捗が見られない状況となっておりました。

他方、F社は、X社に対して貸付債権を有しており、F社から提出を受けた返済計画案は、X社に対する貸付金を回収し、弊社への返済にあてるという実現性に乏しい内容であったため、弊社としては、早期に担保不動産の任意売却に着手するよう繰り返し求めておりました。

2. 不動産競売の検討の経緯
不動産競売については、本年5月以降、弊社内で、本件全ての担保不動産のための予納金として、4,000万円ほどかかるとの試算が出ておりました。

弊社には、本年5月時点で、当該費用を捻出できるほどの余剰金はなかったため、早急に募集業務を再開することで収益を上げること又は外部からの資金調達によって当該費用を捻出するよう、内部管理態勢の整備を進めてまいりましたが、結果として態勢整備が遅れ、今日に至るまで競売費用を準備できない状況にありました。また、一部の担保不動産について段階的に競売を申立てるという選択肢もありましたが、不動産競売によって毀損を生じさせるよりも、任意売却で出資金の回収の極大化を図るべきと判断し、当該時点においては、任意売却を継続的に求めていくという方法を選択しておりました。

なお、本年10月末時点の両社の全担保不動産について、弊社が試算した不動産競売による売却見込価額は、総額約19~20億円となりました。この金額は、弊社がファンドの募集時に評価し、公表していた不動産調査価格の約60億円の約3分の1となっておりますが、これは、一般的に、不動産調査価格は不動産の収益を考慮して価格を算出するものであるのに対し、不動産競売における売却の基準となる価格は、原則として不動産の収益を考慮せず、公示地価等の積算価格により算出するため、このようなかい離が生じたものです。

このほか、不動産競売以外で、貸金返還請求訴訟も選択肢としてございましたが、上記のとおり両社は担保不動産の処分による返済以外に返済原資を確保する手段がないことが明らかであったことから、弊社としては、当該訴訟は提起しておりませんでした。

3. 債権譲渡の検討の経緯
上記と並行して、おおよそ本年8月末頃から、将来的に対象債権の譲渡を検討する場合に備え、弊社では、過去弊社の業務の中で接触があった業者のうち債権回収業務を行っている可能性のある会社及び今回新たに取引先から紹介を受けた法務省の許可を受けた債権回収会社の合計5社の債権譲渡候補先と接触を図っていました。当該5社とは、本格的に対象債権の譲受けを検討することとなり、本年9月下旬頃から本年10月10日頃まで、候補先によるデュー・デリジェンス(対象債権を譲り受けるにあたり、担保となっている不動産の価値やリスクを精査することを指します。以下同じ。)が実施され、競争入札により譲渡価額の提示を受けました。

また、より公平な手続きのもと多くの参加者が関与した方が、出資金の回収の極大化に資するとの考えから、既存の債権譲渡先5社に加え、過去弊社の業務の中で接触があった業者のうち、今般の債権譲渡への参加可能性を探るべく、改めて接触を図った3社を候補先として加えるため、対象債権の譲受けを検討できるか否かを打診しました。しかし、いずれの候補先についても、先方から今回は参加を見送る旨の返答がありました。その後、法律事務所からも6社の紹介を受け、対象債権の譲受けの検討が可能か否か先方へ打診いたしました。

上記の結果、本年11月22日までに接触した債権譲渡候補先は14社となり、5社からは入札を受け、6社は見送り、2社からは検討可能との返答を先方から受け、1社は弊社から謝絶いたしました。

4. 臨時取締役会における決議
その後、再度債権回収の方法を協議すべく、本年11月26日に臨時取締役会を開催しました。まず、両社の担保不動産にかかる競売の売却見込金額について、不動産鑑定士の意見を踏まえて協議した結果、競売を申し立てた場合に、(1)両社に対する債権の処理までにかかる期間が長期に及んでしまうこと、(2)弊社の現在の資金繰り状況を踏まえると、予納金の準備は極めて困難であることから、競売を選択することは困難な状況であると判断いたしました。
また、弊社の財務状況の悪化に伴い、今後、仮に弊社の経営が破綻した場合、お客様への出資金の返還手続きに更なる時間を要するばかりでなく、破産手続きにおいて、匿名組合契約にかかる債権は、一般債権者も含めた調整が行われることとなるため、そのような事態がお客様の利益の最大化につながらないことへの懸念がありました。

従って、本来は、不動産競売や、債権譲渡をする場合であっても、より広く譲渡候補先を募るなど、より透明性の高い手続きを経ることが妥当ではありますが、弊社の財務状況に鑑み、速やかに債権回収方針を決定する必要があるため、当該期日時点で入札のあった5社から債権譲渡先を決定することとし、最高入札者である下記D社に対する譲渡を、弊社臨時取締役会にて決議したものです。なお、各入札者の入札金額は以下のとおりです。
A社・・・14.6億円
B社・・・15.2億円
C社・・・14.3億円
D社・・・16.0億円
E社・・・14.2億円

上記の決議を受け、当該決議内容を最高入札者から債権回収の委託を受けている債権回収会社に伝え、契約に向けた具体的な交渉を行い、その結果、契約締結日及び債権譲渡の実行日を本年12月6日とすることとなりました。

5. 対象ファンド一覧
以下のリンクよりご確認ください。

X社:https://www.lucky-bank.jp/news_files/181205/saiken_fund_x.pdf
F社:https://www.lucky-bank.jp/news_files/181205/saiken_fund_f.pdf

ラッキーバンクの対応は簡単に言うと以下のとおりです。

  • 融資先に連絡し、催促する
    →進展なし
  • 担保を任意売却する
    →20件中2件の売却(金額にして約4,600万円)に成功
  • 担保の競売を検討
    →予納金4,000万円を用意できず、競売では公表していた不動産価格の1/3程度しか回収できないと判断し、断念
  • 債権を債権回収会社に譲渡
    →5社による競争入札で最高提示額を提示したD社に債権を譲渡

これは一見、適切な対応に見えるかもしれませんが、いろいろな問題点があります。主な問題点は以下のとおりです。

  • 競売では公表していた不動産価格の1/3程度しか回収できない
    →ふつうに考えたらありえないことです。どう考えても公表していた不動産価格を盛りすぎていたのでしょう。
  • 7ヶ月の任意売却で売れたのは20件中2件(金額にして約4,600万円)
    →本当に売る気があったのでしょうか? あまりにも売れなすぎです。
  • 予納金4,000万円を用意できなかった
    →この主張には無理があります。任意売却で手に入れた4,600万円はいったいどこに行ってしまったのでしょうか。
  • 債権を債権回収会社D社に譲渡
    →なぜ債権回収会社の名前を隠すのでしょうか。

ラッキーバンクの説明はあいまいな部分が多く、論理に無理がある部分もあるので信用できません。

さて、ラッキーバンクはなぜこのような対応を取ったのでしょうか。想像に過ぎませんが、以下のようなシナリオが一番現実的だと思います。

これなら投資家は大損しますが、X社(ウイングトラスト社)も債権回収会社D社がwin-winの関係になります。ラッキーバンクも損しません。

実際に何が起こっていたかは今後明らかになっていくものと思われますが、ラッキーバンクが投資家に誠実な対応をしてないことは明らかです。

2019年1月8日:投資家に残ったお金を分配する

2019年1月8日にはラッキーバンクが投資家に残ったお金を分配しましたが、ここでもラッキーバンクの不誠実な対応が光ります。

そもそも、分配予定金額の詳細は12月下旬に発表する予定でした。これが1月4日~7日に延期され、最終的には1月7日に分配予定金額が発表されました。

そして、翌日の8日に分配が行われました。自分で設定した予定期日くらい守ってもらいたいものです。

2019年1月21日:個人投資家45人がラッキーバンクを提訴する

2019年1月21日、ラッキーバンクで損害を受けた個人投資家45人がラッキーバンク社等に合計2億7,000万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴を行いました。

原告の代理人になったのは、金融関係のトラブルに強い、東京フィールド法律事務所に所属している鈴木英司弁護士です。

2019年11月現在、訴訟について新しい情報はありません。

2019年3月14日:ラッキーバンクの第二種金融商品取引業の登録が抹消される

2019年3月14日には関東財務局からの行政処分により、ラッキーバンクの第二種金融商品取引業の登録が抹消されました。

これにより、ラッキーバンクはソーシャルレンディング事業を続けることができなくなりました。

関東財務局からの発表の原文を載せておきます。こちらも後で簡単に解説しますので、興味のある方だけご覧ください。

1.ラッキーバンク・インベストメント株式会社(本店:東京都中央区、法人番号3010001160426、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)は、当社ウェブサイト及びウェブサイト内の会員ページにおいて、法人向けローンを出資対象事業とする匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っていた。
当社については、検査の結果、貸付先の審査及び担保物件の評価につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為が認められたことから、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第51条の規定に基づき、「顧客からの問い合わせ等に対しては、誠実かつ適切に対応するとともに、投資者間の公平性に配慮しつつ、投資者保護に万全の措置を講ずること」などを改善項目とする業務改善命令が発出された(平成30年3月2日付。以下、当該業務改善命令を「本件業務改善命令」という。)。
当社は、ファンドの出資持分の取得勧誘を行った匿名組合員からの出資金により、田中翔平代表取締役(以下「田中代表取締役」という。)の親族が経営者として不動産事業を営むX社及びY社に対する貸付けを行っていたところ(元本合計約50億円。以下、当該貸付けを「本件貸付債権」という。)、X社及びY社は、平成30年5月、本件貸付債権の全額につき、期限の利益を喪失した。
当社は、同年12月になって、本件貸付債権を第三者に16億円で譲渡した(以下、当該債権譲渡を「本件債権譲渡」という。)。

上記の経緯に関し、当社に対して金融商品取引法第56条の2第1項の規定に基づき求めた報告等により、当社における業務運営の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

1)当社は、本件貸付債権の債務者であるX社及びY社が、平成30年5月、本件貸付債権の全額につき債務不履行に陥った時期以降、両社に対し、本件貸付債権を被担保債権とする担保不動産(以下「本件担保不動産」という。)の任意売却の進捗状況を定期的に確認するだけで、本件貸付債権の回収に向けたそれ以上の取組みを行っていない。
2)当社は、同年10月、田中代表取締役の主導により本件債権譲渡の具体的な検討を開始しているところ、コンプライアンス部長から、債権譲渡に当たっては、当社の債権管理回収マニュアル上、本件担保不動産の競売による売却見込価額(以下「競売見込価額」という。)との比較検討が必要である旨の指摘を受けたため、X社が同年7月に不動産鑑定士から取得した、本件担保不動産に係る不動産鑑定評価書(以下「本件鑑定評価書」という。)を参考にするなどして、本件担保不動産に係る競売見込価額の評価を初めて行ったとしている。
また、当社は、本件担保不動産に係る競売見込価額の評価に際し、本件鑑定評価書において、商業用物件である建物及びその敷地(土地)の双方が共同担保となっている物件(以下「共同担保物件」という。)について、建物価値を考慮しない、更地としての評価(独立鑑定評価)がなされていることを踏まえ、当社が独自に公示地価等に基づき行った更地としての評価額(以下「更地評価額」という。)と、当社が独自に本件鑑定評価書中の想定賃料単価等に基づき行った収益評価額(以下「収益評価額」という。)とを単純平均した額に一定の率(競売時の下落見込み率)を掛けた上で、本件担保不動産(ただし、同年10月までに任意売却されたものを除く。以下同じ。)の競売見込価額につき、本件鑑定評価書で示された評価額の合計金額をさらに下回る約20億円と評価している。
このように、当社は、本件担保不動産の大半において、貸付先による任意売却が一向に進んでいない状況を認識しながら、同年10月になって、初めて本件担保不動産の競売見込価額の評価を行っているところ、当該評価に係る手法については、共同担保物件に関し、土地及び建物を対象とする収益評価額が、更地を対象とする更地評価額を常に上回っており、建物独自の価値が認められる状況において、上記のとおり、建物価値を考慮する収益評価額と建物価値を考慮しない更地評価額とを単純平均している点で、適切さを欠いているのみならず、その結果についても、合理的な根拠なく、ファンドの出資持分の取得勧誘時の「調査価格」を著しく下回っているなど、当社による本件担保不動産の競売見込価額の評価は、著しく杜撰なものとなっている。
3) 当社は、同年11月26日開催の当社取締役会(以下「本件取締役会」という。)において、本件債権譲渡を決議し、その際、田中代表取締役は、特別利害関係人として、本件債権譲渡の概要について説明している。
上記説明に際し、田中代表取締役は、本件担保不動産の買受けを検討していたZ社から、同月22日、本件貸付債権の買受けの申出(以下「本件買受申出」という。)があったことを認識していた。また、田中代表取締役は、本件取締役会において、監査役から「譲渡対象債権の現金化の方法として債権譲渡が適切であり、投資家利益にも資するとの条件が成立することを前提にすれば、現状において、いかに良い条件で、債権譲渡すべきかという部分に尽きるのではないか」との指摘を受けていた。さらに、田中代表取締役は、上記のとおり、当社における本件担保不動産の競売見込価額の評価額が約20億円となっていることを認識しており、16億円を超える買受金額の提示がZ社からなされる可能性があることを認識し得る状況にあった。
このような状況において、田中代表取締役は、本件取締役会において本件債権譲渡の概要を説明した際、本件買受申出について一切言及していないばかりか、「限られた当社の人員及び時間の中で、当時、債権譲渡候補先となっていた14社との交渉に最大限注力する必要があった」ことなどを理由に、Z社への買受金額の提示依頼等も行っていない。また、本件買受申出の存在を認識していた他の役職員においても、本件債権譲渡の実行に際し、Z社から16億円を超える買受金額の提示がある可能性も検討していない。
このように、当社は、本件買受申出に係る条件等を考慮することなく、本件債権譲渡を実行している。

当社は、本件貸付債権に係る出資者に相当する匿名組合員(投資者)の利益の最大化に向けて、本件貸付債権の保全・回収に関し、金融商品取引業者として誠実かつ公正に業務を遂行する義務(営業者としての匿名組合契約約款に基づく善管注意義務)を負担していたものと認められるところ、上記1)から3)までに記載した当社の対応は、投資者保護を図る上で極めて不適切であり、「投資者保護に万全の措置を講ずること」などの本件業務改善命令を履行したものとは認められない。
また、本件業務改善命令の適切な履行の観点から、当社は、本件貸付債権の保全・回収の適正性について、投資者保護を考慮した検討・判断を行うべきであったところ、投資者への償還原資となる本件担保不動産の価値を適切に評価しないまま、杜撰な手続きで債権譲渡を実行しており、当社の業務運営態勢には、投資者保護に関して重大な問題が認められる。

当社の上記の状況は、金融商品取引法第52条第1項第7号に規定する「金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められるほか、その不適切な業務運営の状況は、金融商品取引法第51条に規定する「金融商品取引業者の業務の運営に関し、公益かつ投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

(1)登録取消し
関東財務局長(金商)第2807号の登録を取り消す。

(2)業務改善命令
1) 今回の行政処分の内容及び本件債権譲渡に至る経緯について、顧客に対し適切に説明を行うこと。
2)未償還のファンドに係る顧客への償還・分配について、投資者保護に万全の措置を講ずること。また、その方針について、適切に説明を行うとともに、顧客からの問い合わせについては、適切かつ十分に対応すること。
3) 投資者間の公平に配慮しつつ、適切な対応を行うなど、投資者保護に万全の措置を講ずること。
4) 上記の対応・実施状況について、完了までの間、書面で随時報告すること。

[出典:http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/pagekthp032000820.html]

登録が抹消された理由は以下のとおりです。

  • 融資先が担保の任意売却を行っていた時、進捗を定期的に確認するだけで、それ以外にお金を回収する努力をしていなかった
  • 担保の競売見込み価格の評価が極めてずさんで、不当に低く評価していた
  • 実際に債権を譲渡した会社よりも高い金額を提示する可能性があった債権回収会社からの債権買取申出を意図的に無視した

つまり、ラッキーバンクはX社(ウィングトラスト社)など融資先からお金を回収する気はなかったし、競売にかけなかったのもわざとだし、はじめから債権回収会社に譲渡する気まんまんだったわけです。

そして、おそらく譲渡する債権回収会社も最初から決まっていたのでしょう。

投資家の損失をできるだけ減らす努力をしていなかったのですから、登録が取り消されたのは当然と言えます。

なぜラッキーバンクにだまされたのか

それにしても、なぜ多くの投資家がラッキーバンクにだまされてしまったのでしょうか。その原因は主に以下の4つだと考えられます。

  • 匿名化
  • 全案件が担保付きだった
  • 利回りが高かった
  • 社長が積極的にメディア出演していた

それぞれ見ていきましょう。

匿名化

ラッキーバンク事件が起こった当時、ソーシャルレンディングには匿名化という問題点がありました。

匿名化とは、簡単に言うと、ソーシャルレンディング事業者が投資家に借りて企業の詳細情報を開示してはならないというルールのことです。

匿名化がされていると、もしソーシャルレンディング事業者が事前の説明と異なる企業に融資していたり、甘い審査で身内に貸していたりしても、投資家は知ることができません。

ラッキーバンクはこの匿名化を悪用して投資家をだましていました。

 

匿名化は2019年3月に解除されました。そのため、現在、ラッキーバンクと同様の手法で投資家をだますのは難しいと思われます。

ちなみに、匿名化については以下の記事で詳しく解説しています。

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全案件が担保付きだった

ラッキーバンクの案件は全案件担保付きでした。担保がついていると、もし借り手企業が返済できなくなってもお金を回収する手段があるため喜ばれます。

しかし、ラッキーバンク事件は担保があってもソーシャルレンディング事業者が融資先から担保でお金を回収する努力をしなければ意味がないことを明らかにしました。

担保はあったほうがいいですが、それ以上に信頼できるソーシャルレンディング事業者を選ぶことが大事なのです。

利回りが高かった

ラッキーバンクの平均利回りは約9%でした。ソーシャルレンディングの平均利回りは7~8%程度なので、平均よりも高めです。

全案件担保付きであることを考えれば、約9%の利回りは破格と言えます。これがラッキーバンクが人気を集めた原因のひとつと言えるでしょう。

社長が積極的にメディア出演していた

多くの人がラッキーバンクにだまされてしまった原因として、社長の田中翔平氏が積極的にメディア出演していたこともあげられます。

一般的に、詐欺を行うような会社は顔出しを嫌う傾向にあります。詐欺をした後、被害者に追い回されないようにするためです。

しかし、ラッキーバンクは社長が積極的にメディア出演していましたし、社長のTwitterアカウントもあります。

ラッキーバンク事件の教訓


ラッキーバンクでは投資家から多くのお金が奪い取られてしまいました。このラッキーバンク事件から得られる教訓には以下のようなものがあると考えられます。

  • 事業者についてよく調べてから投資する
  • 「うますぎる話」には注意する
  • 分散投資する

それぞれ見ていきましょう。

事業者についてよく調べてから投資する

ラッキーバンクについて詳しく調べれば、詐欺の被害にあうのは防げたかもしれません。

なぜなら、ネット上には「ラッキーバンクは怪しいのではないか」と考えていた人もいたからです。

よく調べれば必ず詐欺を防げるわけではありませんが、事業者はあくまで慎重に選んだほうがいいでしょう。事業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。

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「うますぎる話」には注意する

先ほども解説したとおり、ラッキーバンクは全案件担保付きなのに、利回りが平均9%という事業者でした。

ですので、「リターンが大きいのにリスクが低いなんて最高じゃん!」と多くの人が思ったわけです。

しかし、投資の基本を思い出してみてください。リスクとリターンの関係は以下の図のとおりです。

そう、「リターンが大きいのにリスクが低い」というのは詐欺の常套手段なのです。

23区内のオフィスビルを担保にしている場合、利回りは5%程度が相場です。いくらソーシャルレンディング事業者の利益を減らしても、平均9%というのは無理がある数字です。

「リターンの割にリスクが低すぎる」と感じた時には、詐欺を疑ったほうがいいでしょう。

分散投資する

いくら用心していても、詐欺まがいの事件に巻き込まれてしまう可能性を0にするのは難しいでしょう。

詐欺まがいの事件で資産の多くを失わないためにも、投資先を分けることは大切です。

ソーシャルレンディングの場合、少なくとも3社以上にわけて投資したほうがいいでしょう。

分散投資については以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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ラッキーバンク事件のまとめ

ラッキーバンク事件の概要は以下の表のとおりです。

2014年12月 ラッキーバンクサービス開始
2015年 越後氏が健康上の理由から社長を退任。田中氏が社長になる
2017年7月 大和証券元常務の野島氏が副社長に就任
2018年2月 累計募集金額が150億円を突破する
2018年3月2日 関東財務局から行政処分を受ける
2018年3月9日 投資家を集めて説明会を開催する
2018年5月 ほぼ全案件で返済が遅延する
2018年12月4日 あおい法律事務所がラッキーバンク訴訟の説明会を実施
2018年12月5日 債権が譲渡され、投資家の損失が確定する
2019年1月8日 投資家に残ったお金を分配する
2019年1月21日 個人投資家45人がラッキーバンクを提訴する
2019年3月14日 ラッキーバンクの第二種金融商品取引業の登録が抹消される

ラッキーバンク事件を教訓に、よりよいソーシャルレンディング投資をしていきたいものです。

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