ソーシャルレンディング事件簿

君はみんなのクレジット事件を知ってるか?【2019年12月最新】

みなさんはみんなのクレジットというソーシャルレンディング事業者を知っていますか?

この名前を苦い思い出とともに思い出す人もいるかもしれません。みんなのクレジットはソーシャルレンディング史上最悪の詐欺事件を引き起こした事業者です。

この記事ではみんなのクレジットが起こした事件を発端から最新情報まで網羅して解説しています。

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みんなのクレジットとは?


みんなのクレジットは2016年4月にソーシャルレンディングサービスを開始した事業者です。

最大14.5%の高利回りや還元率の高いキャッシュバックキャンペーンで人気を集め、1年足らずで40億円以上を集めました。これはソーシャルレンディング事業者としてはかなり早いペースでした。

しかし、みんなのクレジットにはとんでもない裏の顔がありました。みんなのクレジットはソーシャルレンディング史上最悪の詐欺事件を引き起こしたのです。

「みんクレ事件」の経緯


みんなのクレジットが起こした「みんクレ事件」の経緯は以下のとおりです。

2017年3月30日関東財務局から行政処分を受ける
2017年4月29日みんなのクレジット社の代表取締役が交代する
2017年7月末ファンドの返済が滞りはじめる
2017年8月3日東京都から行政処分を受ける
2017年9月投資家がみんなのクレジットを集団提訴
2017年12月みんなのクレジットが貸付先の起訴を提起
2018年2月債権譲渡により元本割れが確定する
2018年3月14日貸付先が「調整お見舞金」を支払うと発表
2018年3月30日「みんなのクレジット」が社名変更
2018年9月AbemaTVが「みんクレ事件」を報道
2018年12月テレビ東京・ワールドビジネスサテライトが「みんクレ事件」を報道
2018年下半期みんなのクレジットのホームページが不通になる

それぞれ見ていきましょう。

2017年3月:関東財務局から行政処分を受ける

みんなのクレジットは順調にソーシャルレンディング事業を行っていましたが、2017年3月30日、関東財務局から1ヶ月業務停止の行政処分を受けてから雲行きが怪しくなります。

みんなのクレジットが関東財務局から指摘された問題点は以下のようなものでした。

どれもかなり悪質な行為です。それぞれ見ていきましょう。

ちなみに、処分内容の詳細はコチラのページから確認できます。

貸付先が親会社・関係会社に集中していた

みんなのクレジットの案件では、複数の不動産事業会社に貸付を予定しているかのような表示をしていました。

しかし、実際には約98%のお金をみんなのクレジットの親会社や親会社の関係会社に融資していました。しかも、甘い審査で貸していました。

ほかの案件で集めたお金を投資家への返済にあてていた

みんなのクレジットの親会社は、不動産事業などの収益からお金を返済するとしていました。

しかし、実際は、まだ償還期限が来ていないほかの案件で集めたお金を投資家への返済にあてていました。

これは、借金を返すためにお金を借りているようなものです。一時的には順調に返済しているように見えますが、やがて利息がふくらんで返せなくなってしまいます。

担保について誤解を与える表示をしていた

みんなのクレジットは、案件を募集する時に、「原則として不動産などの担保を設定する」と表示していました。

しかし、実際にはほとんどの担保がみんなのクレジットの親会社が発行する未公開株式でした。未公開株式は借金が返済できないほど親会社の経営が傾いた時には、価値が大きく下がってしまいます。つまり、担保としてほとんど意味がないのです。

また、実際には担保を設定してない案件もありました。

投資家から集めたお金を白石氏個人の借金返済に使っていた

白石伸生氏はソーシャルレンディングで投資家から集めたお金を自身の個人的な借金の返済に使っていました。

これは言語道断の行為です。

2017年4月:みんなのクレジット社の代表取締役が交代する

関東財務局からの行政処分を受けて、2017年4月29日にみんなのクレジットは代表取締役を「白石伸生」から「阿藤豊」に変えました。

しかし、みんなのクレジットは代表取締役が交代したという発表をしただけで、白石伸生氏は阿藤豊氏のコメントはありませんでした。

また、阿藤豊氏は白石伸生氏が代表取締役を務める他の会社でも取締役などの重要な役職についています。白石伸生氏の息がかかった人物と言えます。

これらのことから、多くの投資家は「代表取締役が交代しても、状況は良くならないだろう」と考えていました。実際、この後みんなのクレジットをめぐる状況はさらに悪化していきます。

2017年7月:ファンドの返済が滞りはじめる

みんなのクレジットでは6月末まではすべてのファンドで予定通り返済されていました。しかし、7月末には返済が遅れはじめるようになります。

みんなのクレジットは返済の遅れについて投資家にメールを送りました。メールによると、「23人ほどの一部の投資家が融資先から直接資金を回収しようとしている」ため、返済が遅れているとのことでした。

要するに、みんなのクレジットの主張は「23人の投資家のせいで返済が遅れてて、ほかの多くの投資家に迷惑がかかっている」というものでした。

2017年8月:東京都から行政処分を受ける

みんなのクレジットは2017年8月3日、東京都産業労働局から30日間業務停止の行政処分を受けました。貸付の金額に対して大きすぎる担保を請求し、受領したからです。

そして、東京都産業労働局はみんなのクレジットに以下を改善をするよう命令しました。

  • 貸付の金額に対して大きすぎる担保を請求し、受領しないこと
  • 利息制限法の上限(100万以上の貸付の場合15%)を超える利息でお金を貸さないこと
  • 重要事項を変更した場合は改めて貸付にかんする契約締結時書面を交付すること

2017年9月 投資家がみんなのクレジットを集団提訴

みんなのクレジットは2017年5月ごろから投資家への返済がとどこおるようになりました。行政処分によって悪質な運営体制が明らかになったことから、みんなのクレジットは投資家から集団提訴をされました。

みんなのクレジットは2019年10月現在、3つの訴訟を起こされています。それぞれ見ていきましょう。

23人の個人投資家

23人の個人投資家が弁護士を雇ってみんなのクレジットに訴訟を起こしています。

7月末にファンドの返済が本格的に遅れだした時、みんなのクレジットが「23人ほどの一部の投資家が融資先から直接資金を回収しようとしている」とメールで発表しました。その一部の投資家とは、この23人だったのです。

23人は弁護士を雇って融資先(ブルーウォールジャパン)の銀行口座のうち、1億2000万円を仮差押えしました。

その後の詳細は不明です。

enjin(エンジン)による民事訴訟

enjinは日本初の集団訴訟プラットフォームです。みんなのクレジットで被害を受けた227人の被害者が集団で民事訴訟を提起しました。enjinのホームページによると、集団訴訟の被害総額は約5.5億円です。

現在はさくら共同法律事務所が代理人となって訴訟を進めているようです。2019年2月18日に最初の裁判が行われたようですが、結果などの詳細は不明です。

Asset Cafe(アセットカフェ)による刑事訴訟

Asset Cafeは資産の形成に興味がある人が集まるコミュニティーです。このAsset Cafeで集まった人が被害者の会を結成し、みんなのクレジットに対して刑事訴訟を起こしました。

その後の詳細は不明です。

2017年12月:みんなのクレジットが貸付先の起訴を提起

2017年12月になると、みんなのクレジットは融資先のテイクオーバーホールディングスに起訴を提起しました。テイクオーバーホールディングスは2017年5月までみんなのクレジットの100%親会社でした。

そして、テイクオーバーホールディングスの社長も白石伸生氏です。つまり、これは自分で自分を起訴しているようなものです。

みんなのクレジットがテイクオーバーホールディングスに起訴を提起したのは、投資家に「みんなのクレジットは融資先からお金を返してもらう努力をしていますよ」という姿勢を見せるためだと思われます。

2018年2月:債権譲渡により元本割れが確定する

2018年2月23日、みんなのクレジットは「債権回収会社に債権を売却した」と発表しました。これは、簡単に言うと、融資先からお金を回収するのを諦めたということです。

みんなのクレジットによると、貸付先から提案された返済の計画があまりにも非現実的だったことから、債権を売却することにしたようです。

債権は31億円分あり、売却金額はわずか9660万円でした。これにより、投資家には投資した金額の3%程度しか戻ってこないことが確定しました。

2018年3月:貸付先が「調整お見舞金」を支払うと発表

みんなのクレジットの貸付先のひとつであるテイクオーバーホールディングスは2018年3月14日、投資家に対して「調整お見舞金を支払う」と発表しました。

発表内容の原文は以下のとおりです。

みんなのクレジット「調整お見舞金」について
2018年03月26日

拝啓 春分の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、先日ご案内のとおり、(株)テイクオーバーホールディングスグループ(以下、T社グループ)は、 (株)みんなのクレジット社(以下、「みんクレ社」)のローンファンドにご投資され、その後みんクレ社の行政処分による営業停止から債権譲渡に至る経過の中で生じた投資家の皆様の投資損失額に相当する部分の金額について、「調整お見舞金」として支給させていただきます。

そもそも当社としては、みんクレ社に対して調停期間中から一貫して分割返済を申し入れておりました。しかしながら、甚だ遺憾ではありますがその申し出は受け入れられず、債権譲渡によりT社グループとみんクレ社間の債権債務は法的には存在しなくなりました。
しかしながら、T社グループがみんクレ社の投資家の方々からの資金を原資とする融資を受けていた事実は消えるものではなく、T社株主及びスポンサー主導でSPC(特別目的会社)を設立し、専用フォームからお申し込みのあった全投資家に対して「調整お見舞金」として、投資損失相当額を支給させて頂くことと致しました。

◆みんクレ社の投資家本人であることの確認:

・みんクレ社ウェブサイトのマイページ画面の記載内容と、確認資料の突合により行います。
①マイページには会員でなければ入ることができない
②そこに記載の氏名住所等が、本人確認資料と一致していること
③振込口座確認資料記載の氏名と、マイページ記載の氏名および本人確認資料とが一致すること

◆損失相当額:

・【元金未償還金額―受取配当金額(税引前)―キャッシュバック等配当外受取金額】
・みんクレ社ウェブサイトでログイン後に表示の「口座情報」「運用実績」にて確認します。

◆お支払方法:

・ご申告いただいた金融機関口座への振り込みにて。
・振込手数料は当方で負担せず、振込額から控除させていただきます。

◆お支払い回数とお支払い時期:

・当フォームからの申請期間は本年4月10日迄とさせていただいております。
期間経過後に内容確認の上、投資家の皆様にはいただいたメールアドレスに個別で連絡させていただきます。

◆その他の詳細条件は、申請フォーム画面遷移後に記載の同意確認書をお読みください。

※ 当件についてのご質問は、お問い合わせより受け付けております。

株式会社テイクオーバーホールディングス

[出典:http://to-h.jp/2018/03/26/info_04/]

これは一見、丁寧な対応のように思われます。しかし、「調整お見舞金」を受け取るには以下の内容に同意する必要がありました。

  • みんなのクレジット社に対する訴訟に参加しないこと
  • 調整お見舞金を支払う時期・金額・支払い方法は未定
  • 調整お見舞金を支払う時期・金額・支払い方法について異議を申し立てないこと
  • 調整お見舞金が支払われなくても訴訟を起こさないこと
  • 調整お見舞金の支払い方法は日本円とは限らず、外国通貨や仮想通貨の可能性があること
  • 調整お見舞金について一切のことを第三者に口外しないこと
  • 同意事項に違反した場合、調整お見舞金を返還し、さらに投資で損失した額の倍額を支払うこと

要するに、「調整お見舞金を払うかはわからないけど、みんなのクレジット社に不利なことはするなよ」という内容です。調整お見舞金には、訴訟に参加する投資家を分断して勢いを削ぐという目的があったものと思われます。

しかし、多くの投資家は調整お見舞金の罠にだまされず、集団訴訟の勢いは収まりませんでした。

ちなみに、2018年5月31日にはテイクオーバーホールディングス社が「第一回の調整お見舞金の支払いを開始した」と発表しました。しかし、今のところ「調整お見舞金が振り込まれた」という情報はありません。

2018年3月:「みんなのクレジット」が社名変更

2018年3月30日に、「みんなのクレジット」社は「スカイキャピタル」に社名を変更し、本社の場所も変更しました。

まず、社名を変更したのは「みんなのクレジット」という名前に悪いイメージについてしまったからだと思います。人々を撹乱する目的もあるものと思われます。

また、本社の住所を変更したのは、家賃を削減するためでしょう。もともと会社があった道玄坂は地価が高い地域で、それに比べると移転先の築地の地価は約1/6になります。

2018年下半期:マスメディアが「みんクレ事件」を報道

2018年9月にはAbemaTVが「みんクレ事件」を報道しました。この報道の詳細はコチラのページで見られます。

2018年12月にはテレビ東京・ワールドビジネスサテライトで「みんクレ事件」が報道されました。

この他に、ヤフージャパン東洋経済でもみんなのクレジットについて報道されています。

2019年10月:みんなのクレジットが雲隠れ?

2018年の下半期から2019年の上半期にかけて、みんなのクレジット事件についての進展はほとんどありませんでした。しかし、2019年10月になると、驚きの事実が判明することになります。

みんなのクレジットのホームページにつながらなくなったのです。


↑つながらなくなったホームページ

みんなのクレジットの電話番号は03-6820-8486ですが、この電話番号もつながらなくなっていました。さらに、貸し事務所も引き払ったのではないかというウワサもあります。

詳細はこちらのブログが詳しいです。

みんなのクレジットで被害を受けた人がすべきこと


では、みんなのクレジットで被害を受けてしまった人は、今何をすべきなのでしょうか。

主に以下の2つの手段があると思われます。それぞれ見ていきましょう。

訴訟に参加する

enjinでは訴訟参加者の募集は終了していますが、Asset Cafeに訴訟参加者の募集を終了したという情報はありません。

訴訟参加者として声を上げれば、裁判に勝ってお金を回収できる可能性があります。ただ、裁判自体にはお金もかかります。失った金額がある程度大きくないと、逆に損をしてしまう可能性があります。

訴訟に参加するのは選択肢のひとつですが、慎重に判断したほうがいいでしょう。

証券・金融商品あっせん相談センターに相談する

証券・金融商品あっせん相談センターに相談するのも手です。

証券・金融商品あっせん相談センターは投資などによるトラブルについて相談できる場所です。みんなのクレジット事件に関してどのように行動していったら良いか、相談に乗ってもらえることでしょう。

みんなのクレジットの教訓


みんなのクレジットはソーシャルレンディング業界で最悪の詐欺事件と言えるでしょう。みんなのクレジットを教訓として、ソーシャルレンディングで安全に投資していくためにはどのような対策を行えばいいのでしょうか。

その方法は主に以下の3つだと思います。

③信頼できる事業者に投資する

ソーシャルレンディングでは信頼できる事業者に投資することがとても大切です。

ソーシャルレンディングでは融資先の返済が滞った時に投資家は何もできず、ソーシャルレンディング事業者にお金の回収を任せるしかないからです。

みんなのクレジットのように不誠実な事業者に投資してしまうと、本来なら戻ってくるようなお金も戻ってきません。

信頼できる事業者の選び方は、以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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利回りが10%を超える案件には注意する

ソーシャルレンディングの利回りは平均すると7~8%程度ですが、2%程度のものから10%を超えるものまでさまざまです。

そして、詐欺を行うような事業者は短期間で多くのお金を集めるために利回りを高く設定する傾向にあります。みんなのクレジットもかつては最大14.5%の高い利回りで人気を集めました。

利回りが10%を超える案件はすべて詐欺、というわけではないですが、10%以下の案件と比べてリスクははるかに高いです。

ソーシャルレンディングで投資するなら10%を超えるような案件は注意したほうが良いと思います。

編集長 わさ
編集長 わさ
個人的には、ソーシャルレンディングでリスクに合ったリターンが得られるのは10%までだと考えています。

10%を超える案件は詐欺の可能性もありますし、貸し倒れが起こってお金が返ってこなくなる可能性もぐんと高くなるからです。

分散投資する

ひとつの事業者に集中投資をしていると、その事業者が詐欺をしていた場合には、大きな損害を受けてしまうことになります。

たとえば、今回みんなのクレジットに集中投資していた人は投資した金額の97%を失った可能性があります。

このような大損害を防ぐためにも、分散して投資することは大切です。分散投資をしていれば、たとえ詐欺の被害にあっても、大損害は受けずにすみます。

分散投資は以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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みんなのクレジットまとめ

みんなのクレジット事件の概要は以下のとおりです。

2017年3月30日関東財務局から行政処分を受ける
2017年4月29日みんなのクレジット社の代表取締役が交代する
2017年7月末ファンドの返済が滞りはじめる
2017年8月3日東京都から行政処分を受ける
2017年9月投資家がみんなのクレジットを集団提訴
2017年12月みんなのクレジットが貸付先の起訴を提起
2018年2月債権譲渡により元本割れが確定する
2018年3月14日貸付先が「調整お見舞金」を支払うと発表
2018年3月30日「みんなのクレジット」が社名変更
2018年9月AbemaTVが「みんクレ事件」を報道
2018年12月テレビ東京・ワールドビジネスサテライトが「みんクレ事件」を報道
2018年下半期みんなのクレジットのホームページが不通になる
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