ソーシャルレンディング豆知識

【FPが解説】ソーシャルレンディングとP2Pレンディングの違いは?

ソーシャルレンディングについて調べていると、P2Pレンディングという言葉が出てくることも多いのではないでしょうか。そして、ソーシャルレンディングとP2Pレンディングは似た言葉だと感じている人が多いと思います。

この記事ではファイナンシャルプランナー&ソーシャルレンディング投資家の私が、ソーシャルレンディングとP2Pレンディングにはどのような違いがあるのか、それともまったく同じ意味の言葉なのか解説していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

新人 みのり
新人 みのり
編集長! ソーシャルレンディングについて調べていたらP2Pレンディングという言葉が出てきたんですけど、これってなんですか?
編集長 わさ
編集長 わさ
P2Pレンディングはインターネットを通じてお金の貸し手と借り手をマッチングするサービスだよ。
新人 みのり
新人 みのり
ソーシャルレンディングの説明でも同じような言葉を聞いたような……。
編集長 わさ
編集長 わさ
そう! ソーシャルレンディングとP2Pレンディングは似た意味の言葉だよ。

でもまったく同じ意味の言葉というわけではないよ。ソーシャルレンディングとP2Pレンディングではプラットフォームを運営している事業者の位置付けが異なるんだ。

新人 みのり
新人 みのり
どういうことですか?
編集長 わさ
編集長 わさ
P2Pレンディングではプラットフォームを運営している事業者の役割は小さくて、あくまで借り手と貸し手をマッチングするのが役割なんだ。

一方、ソーシャルレンディングでのプラットフォームを運営している事業者の役割は大きくて、ファンドを組成して貸し手を募集して、貸し手の資金を取りまとめて借り手に融資を行うよ。

新人 みのり
新人 みのり
なるほど。結構微妙な違いなんですね。

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P2Pレンディングとは?


P2Pレンディングはインターネットを通じてお金の貸し手と借り手をマッチングするサービスです。P2Pは Peer to Peer の略語で、これを日本語に訳すと「対等な者同士」という意味になります。

これまで、個人や企業への融資では基本的に借りる人が貸す人になることはありませんでした。そして、貸す人は常に金融機関でした。つまり、これまで貸す人と借りる人は対等ではない存在だったのです。

一方、P2Pレンディングの場合、借り手と貸し手は対等な立場であり、借り手と貸し手は簡単に入れ替わります。ある時借り手だった人が別の時には貸し手になる、ということがふつうに起こるのです。

P2Pレンディングにおける事業者の役割

P2Pレンディングにおける事業者の役割は主に2つあります。それぞれ見ていきましょう。

貸したい人と借りたい人のマッチング

P2Pレンディング事業者の最大の役割は貸したい人と借りたい人のマッチングを行うことです。P2Pレンディング事業者はインターネット上にP2Pレンディングができるプラットフォームを展開し、実際にマッチングを行っています。

そして、マッチングを行うかわりに、貸し手や借り手から手数料や会費を徴収しているのです。

債権回収フォロー

借り手からのお金の返済が遅延した場合、お金を貸すプロではない個人の貸し手にとって、自力でお金を回収するのは困難です。そのため、資金を回収する時にはP2Pレンディングの事業者がフォローする必要があります。

具体的には、P2Pレンディングの事業者は借り手からあらかじめ提供を受けていた担保を売却するなどして、お金を回収するサポートを行います。

P2Pレンディングのメリット

P2Pレンディングは世界中に広まっていますが、それは借り手にとっても、貸し手にとっても、P2Pレンディングサービスを提供している事業者にとってもメリットがあるからです。

まず、借り手はP2Pレンディングを使うことで、通常より低い金利で手軽にお金を借りることができます。

特にユーロ圏では通貨は同じですがそれぞれの国で金利は異なります。そのため、金利が高い国の人が金利が低い国の人から借りることで低金利を実現することができるのです。貸し手はネットを通じて手軽に金利収入を得ることができます。

そして、P2Pレンディングサービスを提供している事業者は借り手や貸し手から手数料を取ることで利益を得ながらサービスを運営していくことができるのです。

 

ちなみに、P2Pレンディングの貸し手のメリットはソーシャルレンディングとほぼ同じです。ソーシャルレンディングのメリットについては以下の記事にまとめられています。

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P2Pレンディングのデメリット

貸し手にとって、P2Pレンディングのデメリットは貸し倒れのリスクがあることです。銀行が融資を行う時には厳しい審査が行われます。一方、P2Pレンディングでは審査が柔軟なので貸し倒れが起こる確率も銀行に比べて高くなっています。

そして、P2Pレンディングの事業者が貸し倒れのリスクを負担してくれることはありません。そのため、P2Pレンディングで貸し倒れが起こると、貸し手の元本の一部もしくは全部が失われてしまうのです。

P2Pレンディングの貸し手のデメリットもソーシャルレンディングとほぼ同じです。ソーシャルレンディングのデメリットについても以下の記事でまとめられてます。

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P2Pレンディングとソーシャルレンディングの違い


P2Pレンディングやソーシャルレンディングはまだ歴史の浅い投資方法であり、用語の定義も明確に定められているわけではありません。そのため、P2Pレンディングとソーシャルレンディングも人によって異なる使い分けがされています。

具体的には、P2Pレンディングとソーシャルレンディングについては主に3つの使い分け方がされています。3つの使い分け方を有力な順に見ていきましょう。

説①:プラットフォーム運営者の位置付けが違う

P2Pレンディングとソーシャルレンディングの違いについて一番有力な説は、プラットフォーム運営者の位置付けが異なる、というものです。

P2Pレンディングもソーシャルレンディングもネット上のプラットフォームを介してお金の貸し借りが行われますが、プラットフォーム運営者の役割の大きさが異なります。

まず、P2Pレンディングのプラットフォーム運営者の役割は、あくまでネット上で貸し手と借り手のマッチングを行うことです。お金を貸しているのはあくまで貸し手個人なので、プラットフォーム運営者の役割は小さめと言えるでしょう。

プラットフォーム運営者はプラットフォームを提供してマッチングを行うかわりに、プラットフォームの利用料や会費の形で利益を得ています。

 

一方、ソーシャルレンディングでのプラットフォーム運営者の役割は比較的大きなものになっています。具体的には、ファンドを作って貸し手を募集して貸し手から提供を受けた資金を取りまとめ、借り手に融資を行います。

ソーシャルレンディングでは貸し手はあくまで資金を出資しているだけで、お金を貸しているのは厳密に言えばプラットフォーム運営者になります。

そして、プラットフォーム運営者は貸し手に分配する利回りと、借り手に融資する時の利息に差をつけることで利益を得ています。たとえば、貸し手に分配する利回りを10%にして、借り手に融資する時の利息を15%にした場合、差の5%がプラットフォーム運営者の利益になるのです。

新人 みのり
新人 みのり
なるほど! 少しわかりにくい違いなんですね。

説②:P2Pレンディングは個人、ソーシャルレンディングは企業への融資

P2Pレンディングは日本語で個人間融資と訳されることが多いです。そして、P2Pレンディングでは主に個人に融資を行い、ソーシャルレンディングでは主に企業に融資を行っています。

そのため、P2Pレンディングとソーシャルレンディングでは融資対象が異なると考えている人もいるようです。この違いは1番有力な説と比べて単純明快でわかりやすいので、この使い方をする人が多いのではないでしょうか。

また、企業は個人に比べて多額の資金を求めていることが多いため、1人の貸し手では足りないことが多く、企業に融資を行う場合にはファンドを作って募集したほうが合理的です。

そのため、企業への融資はソーシャルレンディングであることが多くなります。P2Pレンディングでは個人に、ソーシャルレンディングでは企業に融資を行っているというのは正確な理解ではないかもしれませんが、あながち間違いとは言えないでしょう。

新人 みのり
新人 みのり
この説はわかりやすいですね!

説③:P2Pレンディングとソーシャルレンディングは同じ意味の言葉

P2Pレンディングとソーシャルレンディングは同じ意味の言葉としてとらえている人も多いです。日常生活でP2Pレンディングとソーシャルレンディングを同じ意味で使っても、特に問題になることもないと思われます。

海外のP2Pレンディング


海外ではアメリカ、イギリスを中心にするヨーロッパなどでP2Pレンディングが大きな広がりを見せています。特にアメリカのP2Pレンディングの市場規模は大きく、世界最大のP2PレンディングサービスであるLending Clubもアメリカにあります。

同社はニューヨーク証券取引所にも上場を果たしている企業です。

海外のP2Pレンディングについては以下の記事で詳しく解説しています。

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日本のP2Pレンディング


P2Pレンディングはイギリスで誕生し、2008年に日本に入ってきました。

日本では、当初は各事業者がP2Pレンディングの形で個人への貸し出しを中心にサービスを展開していましたが、貸し倒れが多く発生してしまったことからうまく行かず、多くの事業者が撤退に追い込まれました。

しかし、各事業者がP2Pレンディングからソーシャルレンディングへと切り替え、企業への融資を行うようになると成功し、日本ではソーシャルレンディングだけが広まることになりました。

日本でP2Pレンディングがうまく行かなかった理由

日本でP2Pレンディングがうまく行かなかったのは、日本では個人にお金を貸すインフラが十分に整っていたことが原因だと見られています。

日本では銀行から低い金利でいお金を借りることができます。そして、銀行の審査に受からなくても消費者金融をはじめとするノンバンクから十分にお金を借りることができるのです。

そのため、P2Pレンディングがあってもそこからお金を借りようとする人はノンバンクの審査にも落ちてしまうような、返済能力が低い人ばかりだったのです。これにより、日本のP2Pレンディングは貸し倒れ率が高くなって失敗しました。

 

日本でP2Pレンディングが頓挫してから8年ほど経ちましたが、現在でもP2Pレンディングが日本で成功するのは難しいでしょう。

これまで長い間積み上げてきた信用度の審査やお金を回収するノウハウを持っているノンバンクに、P2Pレンディングが対抗するのは簡単なことではないからです。

ただ、日本でP2Pレンディングが成功する可能性はないわけではありません。それは、世界的に見ても日本の個人向けローンの金利は高く、政府も金利の高さを問題視しているからです。

まとめ

P2Pレンディングはインターネットを通じてお金の借り手と貸し手をマッチングするサービスです。P2Pレンディングはソーシャルレンディングの類義語ですが、異なる部分もあります。

ソーシャルレンディングは企業への融資に使われることが多い言葉で、プラットフォームを運営している事業者の役割は比較的大きなものになっています。

一方、P2Pレンディングは個人への融資に使われることが多い言葉で、プラットフォームを運営している事業者の役割は比較的小さなものになっています。

 

そして、P2Pレンディングは海外では盛んに行われていますが、日本ではあまりうまく行きませんでした。その原因は、日本では個人にお金を貸すインフラが整っており、P2Pレンディングのサービスが入り込む余地がなかったことだと言われています。

日本ではP2Pレンディングではなく、ソーシャルレンディングだけが新たな金融サービスとして広まることになりました。

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