ソーシャルレンディング事件簿

トラストレンディングが集団訴訟された驚きの理由とは?

トラストレンディングはソーシャルレンディング事業者として初めて、第二種金融商品取引業者の登録取消処分を受けました。

これは話題になったので、知っている方も多いかも知れません。しかし、

「トラストレンディングはなんで登録取消処分を受けたの?」
「トラストレンディングはなんで集団訴訟を起こされているの?」

と疑問に思っている方も多いと思います。

そこで、この記事ではトラストレンディングがどんな事件を起こして登録取消処分を受けたのか、FP資格を持つSL投資法典編集長わさが詳細に解説していきます。

トラストレンディング事件についてすぐわかる概要も掲載しているので、ぜひご覧ください。

今すぐトラストレンディング事件の概要を見に行く

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トラストレンディングとは?


トラストレンディングはエーアイトラスト株式会社が運営するソーシャルレンディング事業者です。

以下の3つの点から、人気の高いソーシャルレンディング事業者でした

  • ほとんどの案件が担保付き
  • 利回り10%以上の高利回り案件が多かった
  • 役員に元官僚が多い
  • 公共事業への投資

特に、役員に元官僚が多いという点は、ほかのソーシャルレンディング事業者にはない特徴でした。

以下のような人物がトラストレンディングの役員でした。

役職氏名(敬称略)出身
専務取締役山本 貢財務省
監査役園田 信夫財務省
取締役川崎 安弘財務省
取締役山本 淳国土交通省
取締役古谷 民男財務省
取締役渡邉 一浩防衛省

また、トラストレンディングは上級顧問として大蔵省(現在の財務省)出身の豊岡 俊彦氏も招聘しています。これでは投資家が信じてしまうのも仕方ないです。

そんなトラストレンディングですが、投資家に大きな損失を与える事件を起こしてしまいました。

次は、トラストレンディングが起こした事件の概要について見ていきましょう。

トラストレンディングが起こした事件の概要

トラストレンディングが起こした事件の中でも一番重要なのは、投資家のお金約15.8億円がトラストレンディング役員の山本幸雄氏が実質的に支配する会社に流出してしまったことです。

簡単に図で説明すると、以下のようなことが起きていたのです。

トラストレンディング資金流出事件の概要

また、トラストレンディングの案件は案件を募集する時にウソの記述をしていました。主なウソの記述は以下のとおりです。

以上のことから、トラストレンディングは関東財務局(金融庁)から第二種金融商品取引業者の登録取消処分を受けてしまいました。

そして、トラストレンディングは2019年11月現在、投資家から集団訴訟を提起されています。

トラストレンディング事件の詳細

トラストレンディングが起こした事件の詳細は以下の表のとおりです。

2015年11月サービス開始
2016~2018年上半期順調に募集金額を伸ばす
2018年10月山本氏、松本氏が取締役に就任
2018年12月関東財務局から1ヶ月の業務停止命令を受ける
2019年2月5日トラストレンディングが貸付先に訴訟を提起
2019年2月19日山本氏が取締役を解任される
2019年3月関東財務局から登録取消処分を受ける
2019年5月5月分の分配金額を間違える
2019年6月1日オフィス移転・電話番号変更・人員整理
2019年8月2日トラストレンディングに対する集団訴訟が起こる
2019年8月16日貸金業者の登録を廃止する
2019年8月ごろ公式サイトが検索から消える
2019年11月13日電話番号が変更される

それぞれ見ていきましょう。

2015年11月:トラストレンディングがサービス開始

エーアイトラスト株式会社が運営するトラストレンディングは2015年11月にサービスを開始しました。

ちなみに、エーアイトラスト株式会社自体は2005年6月に設立されています。

エーアイトラストはほかにもいくつか事業を行っていますが、そのうちのひとつとしてソーシャルレンディング事業を始めたようです。

2016~2018年上半期:順調に募集金額を伸ばす

トラストレンディングは人気を集め、2016年から2018年上半期にかけて順調に募集金額を伸ばしていきました。

特に、2018年は1年間で52.7億円を募集しました。投資家からの人気が高かったことがわかります。

募集が開始されるとクリック合戦が起こり、すぐに募集が終了してしまうことも多くありました。

2018年10月:山本氏、松本氏が取締役に就任

2018年10月にはこれまでの取締役に加えて、山本幸雄氏と松本彰久氏が取締役に就任しています。

このうち、山本幸雄氏はトラストレンディングが起こした事件の中で重大な役割を果たす人物になります。

2018年12月:関東財務局から1ヶ月の業務停止命令を受ける

トラストレンディングは2018年12月、関東財務局(金融庁)から1ヶ月の業務停止命令を受けます。

関東財務局(金融庁)が発表した行政処分の内容は以下のとおりでした。

ちなみに、この行政処分については後ろでわかりやすく解説しているので、興味のある方だけご覧ください。

行政処分のわかりやすい説明を見る

1.エーアイトラスト株式会社(本店:東京都港区、法人番号1010701020889、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成30年12月7日付)

当社は、当社ウェブサイトにおいて、自らを営業者とする匿名組合の出資持分(以下「ファンド」という。)の自己募集を行い、その出資金を法人に対する貸付けによって運用している。
当社が取扱うファンドの取得勧誘の適切性等について検証したところ、以下の問題が認められた。

○ ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をする行為
(1) 債権担保付ローンファンドについて
当社は、平成30年5月から6月にかけて、「債権担保付ローンファンド(139号~146号、155号~158号)」(以下「本債権ファンド」という。)の募集を行い、投資家から総額約6億円の出資を受けている。
当社は、本債権ファンドの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の本債権ファンドに係る募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本債権ファンド借入人」という。)が関与するプロジェクト(以下「本プロジェクト」という。)や資金使途等に関し、
・ 本プロジェクトは、原発事故被災地の水資源の安全向上を目的として実施される除染事業であり、非常に公益性の高い内容である
・ 本プロジェクトは、原発事故被災地域に堆積した放射性物質を封じ込め、居住区域等への飛散、流入を防止する対策を実施するものである
・ 本プロジェクトにおける放射性物質を取除く方法は、政府の基本方針に沿った内容である
・ 本債権ファンド借入人は、本プロジェクトを請け負う事業統括会社との間に業務請負契約を締結し、プロジェクト準備資金の調達・施工の計画立案等の支援業務を行う
・ 本債権ファンド借入人における資金使途は、上記支援業務に係る労務費・外注費等や、各協力会社へ支払う外注費・資材調達費等(プロジェクト準備資金)等である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、復興庁や環境省等の名称を用いて、あたかも官公庁等が関与して行う除染事業の支援業務を行う目的で、本債権ファンドで集められた資金が貸付けられるかのような表示をしている。
しかしながら、該当する官公庁等が関与して行う除染事業は存在せず、このため、本債権ファンド借入人に対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、官公庁等が関与して行う除染事業の存在及び実行を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。
このように、当社は、本債権ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。

(2)動産担保付ローンファンドについて
当社は、平成30年7月から8月にかけて、「動産担保付ローンファンド(163号、165号~168号、170号~174号)」(以下「本動産ファンド」という。)の募集を行い、投資家から総額約3億円の出資を受けている。
当社は、本動産ファンドの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の本動産ファンドに係る募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本動産ファンド借入人」という。)が関与する事業や返済原資等に関し、
・ 本動産ファンド借入人は、長距離無線通信に係る商用サービス開始に先立つ実証実験の準備を進めている
・ 本動産ファンド借入人は、当該実証実験の終了後に、全国に多数の拠点を持つ大手企業との業務・資本提携を予定しており、それにより安定的な収益源を確保する計画である
・ 提携先の相手方企業は、2020年東京オリンピックのJOCゴールドパートナーとなっている大手企業である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、当該大手企業との業務提携等が予定されている旨を記載するなど、あたかも本動産ファンド借入人において、実証実験終了後に、当該大手企業との業務提携等が予定され、これにより得られた収益を原資として返済が行われるかのような表示をしている。
しかしながら、実際には当該大手企業との業務提携等の予定は存在せず、このため、本動産ファンド借入人に対しては、当初から、上記の取得勧誘時の表示のような、当該大手企業との業務提携や、当該業務提携に係る事業による収益が返済原資となることなどを前提とした貸付けは行われていない。
このように、当社は、本動産ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。

当社が行った上記の行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、虚偽の表示をする行為」に該当するものと認められる。

2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

(1) 業務停止命令
金融商品取引業のすべての業務(顧客取引の結了のための処理を除く。)を平成30年12月14日から同31年1月13日まで停止すること。

(2) 業務改善命令
1) ファンド募集にかかる事務プロセスを網羅的に検証したうえで、今般の法令違反が発生した原因及び業務運営態勢上の問題点を究明すること。また、今般の法令違反について、責任の所在を明確にするとともに、金融商品取引業務を適切に行うための経営管理態勢及び業務運営態勢を再構築すること。
2) 募集したファンド全件について、取得勧誘及び運用・管理の状況等(貸付先の資金管理の実態や資金の使途を含む)を精査したうえで、投資者保護に必要な対応を図ること。
3) 本件行政処分の内容及び改善対応策について、全ての顧客を対象に、適切な説明を実施し、説明結果を報告すること。
4) 顧客からの問い合わせ等に対して誠実かつ適切に対応するとともに、投資者間の公平性に配慮しつつ、投資者保護に万全の措置を講ずること。
5) 上記1)から4)までの対応について、平成31年1月11日までに、進捗状況及び対応結果について報告すること。

[出典:http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/pagekthp032000785.html]

行政処分の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

融資先がお金を使う予定だった除染事業は初めから存在しなかった

トラストレンディングは債権担保付ローンファンド(139号~146号、155号~158号)で放射性物質の除染を行う案件を募集していました。

そして、あたかも復興庁や環境省などが関与している事業であるかのような表示をしていました。

しかし、実際にはそんな除染事業は存在しませんでした。

つまり、トラストレンディングはウソの資金用途で案件を募集していたのです。

融資先に大手企業との業務提携の予定があるというのはウソだった

トラストレンディングは動産担保付ローンファンド(163号、165号~168号、170号~174号)を2018年7月~8月ごろに募集していました。

この案件では融資先は長距離無線通信関係の実証実験をし、実証実験が終わった後に大手企業との業務・資本提携の予定があると説明していました。

しかし、実際には融資先に大手企業との業務・資本提携の予定などなかったのです。

編集長 わさ
編集長 わさ
こんなことが起こってしまった原因には以下のふたつが考えられるよ。

  • トラストレンディングが投資家をだましていた
  • 融資先がトラストレンディングをだましていた

どちらかというと後者のほうがマシだと言えるね。でも、その場合でも審査はずさんだったということだから、トラストレンディングはソーシャルレンディング事業者として不適格だったと言えるよ。

2019年2月5日:トラストレンディングが貸付先に訴訟を提起

2019年2月5日、トラストレンディングは貸付先に損害賠償の訴訟を提起しました。

なぜかというと、融資先がトラストレンディングからウソの理由でお金を借りていたからです。

具体的には、「東名高速道路の工事に使うお金を融資してほしい」という内容だったのに、実際には融資先はその工事を受注してなかったのです。

そして、融資先がトラストレンディングにお金を返す気配はありませんでした。

そのお金を返してもらうため、トラストレンディングは損害賠償の訴訟を提起したのです。

編集長 わさ
編集長 わさ
裁判には大きくわけて民事訴訟と刑事訴訟があるよ。
このうち、トラストレンディングが今回提起したのは民事訴訟なんだ。

でも、もし本当にトラストレンディングが融資先からお金をだましとられたなら、詐欺罪が成立するはずだよ。

だから、なぜ刑事訴訟をしないのか、疑問に思っている投資家が多いんだよね。

トラストレンディングが刑事訴訟をしない理由についてはコチラで考察しているよ。

2019年2月19日:山本氏が取締役を解任される

2019年2月19日、これまでトラストレンディングへの案件の紹介で中心的な役割を担っていた山本幸雄氏が取締役を解任されました。

これは、山本幸雄氏がトラストレンディングに紹介した融資先から、山本氏が実質的に支配する法人に約15.8億円が流出していたからです。

この事実は後に関東財務局(金融庁)からも指摘されることになります。

トラストレンディングは山本氏を解任するとともに、山本氏や山本氏が実質的に支配する法人に対して法的措置を検討すると発表しました。

2019年3月:関東財務局から第二種金融商品取引業の登録取消処分を受ける

2019年3月、トラストレンディングは関東財務局(金融庁)から第二種金融商品取引業の登録抹消処分を受けました。

トラストレンディングはソーシャルレンディングとして初めて、第二種金融商品取引業の登録抹消処分を受けることになりました。

関東財務局(金融庁)が発表した登録抹消処分の理由は以下のとおりです。

ちなみに、後ろでわかりやすく解説しているので、興味のある方だけ全文をご覧ください。

行政処分のわかりやすい説明を見る

1.エーアイトラスト株式会社(本店:東京都港区、法人番号1010701020889、第二種金融商品取引業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成31年2月22日付)

当社は、当社ウェブサイトにおいて、自らを営業者とする匿名組合の出資持分(以下「ファンド」という。)の自己募集を行い、その出資金を法人に対する貸付けによって運用している。
今回検査において、当社の業務運営の状況を検証したところ、平成30年12月7日付で行政処分勧告を行った問題点に加え、以下の問題が認められた。

(1)ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をする行為
○ 高速道路事業を貸付対象事業とするファンドについて
当社は、平成30年2月から5月にかけて、「債権担保付ローンファンド」及び「Trust Lendingセレクトファンド」(105号~111号、113号~138号)(以下「本ファンドA」という。)の募集を行い、投資家から総額約15億7千万円の出資を受けている。
当社は、本ファンドAの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本借入人A」という。)が関与する事業、資金使途及び返済原資等に関し、
・本借入人Aは元請負会社を経由して、国土交通省等を発注者とする高速道路関係の工事を受注している
・本借入人Aが受注した工事は、「新東名高速道路高取山トンネル西工事」(105号~109号)、「新東名高速道路川西工事」(105~109号、120号、121号、125号、126号、129号~138号)、「新東名高速道路高松工事」(110号、111号、113号~116号)、「東京外かく環状道路本線トンネル大泉南工事」(117号~119号、122号~124号、127号、128号)である
・資金使途は、本借入人Aの材料費・労務費・外注費等、協力企業へ支払う材料費・労務費・外注費等、当該ファンドからの借入金にかかる経過利息、上記に付随する費用である
・返済原資は、元請負会社からの支払いが予定されている工事請負代金である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、大手ゼネコンJVの名称を用いるなどして、あたかも国土交通省等から発注を受けた各JVが元請負会社に発注し、本借入人Aは当該元請負会社から「新東名高速道路高取山トンネル西工事」、「新東名高速道路川西工事」、「新東名高速道路高松工事」、「東京外かく環状道路本線トンネル大泉南工事」の発注を受けているかのような表示をしている。
しかしながら、上記の各工事について、各JVから元請負会社を経由して本借入人Aが発注を受けた事実はなく、このため、本借入人Aに対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、高速道路関係の工事受注を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。

○ 公共事業に係るコンサルティング業務を貸付対象事業とするファンドについて
当社は、平成30年5月から6月にかけて、「Trust Lendingセレクトファンド(147号~154号)」(以下「本ファンドB」という。)の募集を行い、投資家から総額約2億4千万円の出資を受けている。
当社は、本ファンドBの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本借入人B」という。)が関与する事業、資金使途及び返済原資等に関し、
・本借入人Bは、依頼元事業者が進める複数の公共事業プロジェクトを対象として、リソースやスケジュール面での課題を解決すること等により事業全体の最適化を支援する
・対象となる公共事業プロジェクトには、土木建築事業や環境の再生・保全といった大規模な案件も含まれる
・返済原資は、依頼元事業者から支払われるコンサルティングサービスの業務委託料である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、各府省や地方自治体の名称を用いて、「様々な分野の公共事業をコンサルティング」等と記載するなどして、あたかも本借入人Bにおいて公共事業プロジェクトに対するコンサルティング業務が行われるかのような表示をしている。
今回検査において、募集ページに記載された「対象とする公共事業プロジェクト」の具体的内容を当社に確認したところ、「土木建築事業」案件は高速道路事業(上記記載の「本ファンドA」の貸付対象事業)、「環境の再生・保全」案件は除染事業(平成30年12月7日付行政処分勧告記載の「本債権ファンド」の貸付対象事業)であり、その他に具体的に予定されている公共事業プロジェクトはないとの回答であった。また、上記「依頼元事業者」は本借入人Aであり、除染事業における事業統括会社と同一事業者である。
しかしながら、高速道路事業については本借入人Aにおいて工事受注がされていないこと、除染事業については事業自体が存在しないことが検査において認められている。
このため、本借入人Bに対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、公共事業プロジェクトに対するコンサルティング業務等の実施を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。

このように、当社は、本ファンドA及びBの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。

(2)ファンドの取得勧誘に関し、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
当社は、平成30年9月から11月にかけて、「燃料卸売事業者ローンファンド(193号~200号、203号、207号~210号)」(以下「本ファンドC」という。)の募集を行い、投資家から総額約6億2千万円の出資を受けている。
当社は、本ファンドCの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本借入人C」という。)が関与する事業、資金使途及び返済原資等に関し、
・公共事業における重機や資材運搬等で必要となる燃料について、本借入人Cにおいて調達と配給の集約を行うものである
・初年度売上30億円をボトムラインとして継続成長が計画されている売上規模となる
・返済原資は、本燃料卸売事業による収益である
旨等を記載している。
しかしながら、本事業に係る初年度売上について、上記のとおり「30億円をボトムラインとして」と記載しているところ、これについては何ら根拠の無いものであり、工事の実施状況等にかかわらず、最低でも30億円の売上が予定されているかのような誤解を生ぜしめるべき表示となっている。

このように、当社は、本件ファンドCの取得勧誘に関して、「ファンドの返済原資の調達源となる燃料卸売事業の売上高」という重要な事項について、誤解を生ぜしめるべき表示を行っていたものと認められる。

(3)当社の管理上の問題点及びファンド資金が流出している状況
当社は、ファンド資金の資金使途とされる事業の実態を十分確認することなく、ウェブサイト上に資金使途や返済原資等を具体的に表示し、取得勧誘を行っていた。
また、当社は、各ファンドについて貸付実行後のモニタリング等を行っておらず、貸付金がウェブサイトに表示した資金使途どおりに使用されているかについて十分な確認を行っていなかった。その結果、平成29年2月から同30年11月までの募集総額約52億円(既に運用が終了しているものを除く。)のうち、少なくとも約15億8千万円が、各ファンドの案件紹介等に中心的な役割を果たしていた山本幸雄取締役(平成30年10月当社取締役就任)が実質的に支配する法人に流出していた。
上記の状況が看過されてきた原因は、当社においては、法令上、虚偽表示等の禁止行為が規定されているにもかかわらず、事業実態や貸付先におけるファンド資金の使途等を把握するための管理態勢を構築していないことによるものと認められる。

当社の上記(1)の行為は、金融商品取引法第38条第9号(平成29年法律第37号による改正前は同条第8号)に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、虚偽の表示をする行為」に該当するものと認められる。
また、当社の上記(2)の行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。
さらに、当社の上記(3)の状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

(1)登録取消し
関東財務局長(金商)第2601号の登録を取り消す。

(2)業務改善命令
1)今回の行政処分の内容について、顧客に対し適切に説明を行うこと。
2)顧客が出資した財産の運用・管理の状況等(資金の使途を含む。)を早急に精査したうえで、顧客に対して、顧客が出資した財産の運用・管理の状況その他必要な事項の説明を行うこと。
3)顧客が出資した財産の顧客への返還に関する方針を策定し、速やかに実施すること。
4)投資者間の公平に配慮しつつ、適切な対応を行うなど、投資者保護に万全の措置を講ずること。
5)上記の対応・実施状況について、完了までの間、書面で随時報告すること。

[出典:http://kantou.mof.go.jp/kinyuu/pagekthp032000813.html]

行政処分の内容を簡単にまとめると、以下のとおりです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①約15.8億円が山本幸雄氏が実質的に支配する法人に流出していた

山本幸雄氏は先ほど出てきたとおり、トラストレンディングの役員のひとりです。彼はトラストレンディングで募集する案件の紹介で中心的な役割を果たしていました。

そんな山本幸雄氏が実質的に支配する法人に、少なくとも約15.8億円が流出していたのです。

おそらく、山本幸雄氏はトラストレンディングを通じて架空の案件を募集し、投資家から集めたお金を持ち逃げしたのでしょう。

これは完全に詐欺です。約15.8億円が持ち逃げされるのを気づかなかったトラストレンディングにも大きな責任があると言えます。

②融資先がトラストレンディングからウソの理由でお金を借りていた

トラストレンディングでは「高速道路工事を行う会社(借入人A)に工事の資金を融資する」という案件を募集していました。具体的には、新東名高速道路の工事を行うための資金を募集していました。

国土交通省とNEXCO中日本が清水建設に発注し、清水建設が元請負会社に発注し、元請負会社が借入人Aに発注した工事のために資金を使うという案件でした。

しかし、実際にはそんな工事は初めから存在しませんでした。借入人Aはウソの理由でトラストレンディングから融資を受けていたのです。

これを図に表すと以下のようになります。

トラストレンディング事件高速道路案件の表示
トラストレンディング事件高速道路案件の実際

少し難しい話かもしれませんね。「親から食事代としてもらった1,000円をパチンコに使った」という状態と同じだと考えるとわかりやすいかもしれません。

さて、なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。トラストレンディングは行政処分を受けて公表した資料の中で以下のように言及しています。

今般当社に対して実施された証券取引等監視委員会の検査により判明した事実、及び当該事実をきっかけに当社が本件ファンドの調査を行った結果、本借入人は本件工事を受注していないことが判明し、当社は、本件ファンドの募集ページにおいて虚偽の表示を行っていたものと認められました。
[出典:https://www.trust-lending.net/topics/2019/2019022203.pdf]

これは簡単に言うと、「そんなこと知らなかった!」ということです。トラストレンディングは「今まで知らなかったけど、改めて調査してみたら架空の工事だった」と主張しているのです。

もし本当に架空の工事だと知らずに投資家からお金を集めていたのだとしたら、審査がずさんすぎたと言うほかありません。

③あたかも公共事業が3つ以上あるような表記をしていたが、実際はふたつだった

トラストレンディングはTrust Lendingセレクトファンド(147号~154号)において、公共事業のコンサルティングに関する案件を募集していました。

その中で、以下のように説明していました。

効率向上の対象となるプロジェクトには、土木建築事業や環境の再生・保全といった大規模な案件も含まれ

この表現だと、プロジェクトには土木建設事業や環境の再生・保全事業のほかにも、プロジェクトがあるように感じられます。

しかし、実際にはプロジェクトは土木建設事業と環境の再生・保全事業のふたつだけでした。

これが関東財務局(金融庁)に「誤解を与えるような表示だ」と指摘されたのです。

④融資先がお金を使う予定だったコンサルティング事業は最初から存在しなかった

こちらも、公共事業のコンサルティングの関する案件について指摘された問題です。

上で解説したとおり、コンサルティング案件の実際のプロジェクトは「土木建設事業」と「環境の再生・保全」でした。

このふたつのプロジェクトを実際に行っていたのは上でも出てきた借入人Aでした。

このうち、「土木建設事業」の具体的な内容は高速道路工事でした。これは借入人Aが実際には発注してない工事でした。

また、「環境への再生・保全」の具体的な内容は除染事業で、これは事業自体が存在してませんでした。

つまり、以下の図のような事態が起きていたことになります。

トラストレンディング事件コンサルティング案件の表示
トラストレンディング事件コンサルティング案件の実際

コンサルティングする事業自体が存在していなかったのです。

⑤融資先の初年度の売上は最低でも30億円と記載していたが、何の根拠もない数字だった

トラストレンディングは2018年9~11月にかけて、燃料卸売事業者ローンファンド(193号~200号、203号、207号~210号)を募集していました。

この案件の中で、トラストレンディングは融資先の売上について、「初年度売上30億円をボトムラインとして継続成長が計画されている売上規模」だと説明していました。

つまり、初年度の売上は最低30億円が保証されていると表示していたのです。

しかし、30億円という数字は何の根拠もない数字でした。

編集長 わさ
編集長 わさ
投資家から集めたお金のうち、約15.8億円が流出していたのを見逃したのは、かなり罪深いと言えるね。

トラストレンディングがソーシャルレンディング業界初の免許取消処分を受けたのも当然と言えるよ。

2019年5月:5月分の分配金額を間違える

2019年5月、トラストレンディングは以下のような発表をしました。

本日の分配業務において、一部のローンファンドに関して、運用報告書やWebマイページに表示される分配金の金額と、実際にお客様宛てに振り込まれた分配金の金額に不一致が発声しております。
[出典:https://www.trust-lending.net/topics/2019/2019051001.php]

これは、(もう取り消されたとはいえ)金融商品取引業者としてあってはならない行為です。トラストレンディングは以下の対応をすると発表しています。

今回の分配で生じた差額(超過支払分)は、来月の分配業務の中で相殺処理を行わせて頂きます。
[出典:https://www.trust-lending.net/topics/2019/2019051001.php]

2019年6月1日:オフィス移転・電話番号変更・人員整理

2019年6月1日、トラストレンディングは以下の変更を行いました。

変更点
オフィスの移転東京都港区海岸3-9-15
Loop-Xビル 7F
東京都港区芝浦4-12-39
ロジックビル 3F
従業員8名3~4名
電話番号代表電話:03-6453-9952
サポート窓口:03-6453-9969
代表電話:03-6271-9080
サポート窓口:03-6271-9081

トラストレンディングによると、これによりオフィス関連費用の約70%削減と人件費の50%削減(昨年比)が実現したそうです。

編集長 わさ
編集長 わさ
勘ぐりすぎかもしれませんが、電話番号変更には、ほかの目的もある気がします。

投資家からの問い合わせを減らしたかったのではないでしょうか。

2019年8月2日:トラストレンディングに対する集団訴訟が起こる

2019年8月2日、143人と法人2社がトラストレンディングを運営するエーアイトラスト株式会社とその役員に対して計3億4千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

2019年11月現在、あおい法律事務所enjinマトマリの3つの団体がトラストレンディングに対する集団訴訟の手続きを準備していますが、enjinとマトマリは訴訟参加者の募集段階なので、今回提訴したのは、あおい法律事務所が集めた訴訟参加者だと考えられます。

今後の動向が注目されます。

2019年8月16日:貸金業者の登録を廃止する

2019年8月16日、トラストレンディングは貸金業者の登録を廃止しました。貸金業者は事業としてお金を貸すために必要な免許です。

もうソーシャルレンディング事業は行えないのですから、貸金業者の登録を廃止したのは当然かもしれません。

2019年8月ごろ~:公式サイトが検索から消える

2019年8月ごろ、「トラストレンディングがグーグルの検索で出てこなくなった!」と話題になりました。

実際はどうだったのでしょうか。ahrefsというツールで「トラストレンディング」と調べた時に、公式サイトが何位に出てくるか調べてみました。

その結果が以下の画像です。横軸は月日、縦軸は検索順位を表しています。

トラストレンディング公式サイト検索順位の変化

2019年8月25日ごろ、9月20日ごろ、10月25日ごろ、11月15日ごろ、公式サイトの順位が急に下がっていることがわかります。

通常、公式サイトの順位が急激に落ちることはありません。明らかにわざと検索で出てこないようにしていることがわかります。

ちなみに、検索で出てこないようにするのは簡単で、ページのhtmlコードにnoindexタグを插入するだけです。

 

また、細かく見ていくと、トラストレンディングはいろいろと検索で出にくいように工夫していることがわかります。以下のようなことが行われています。

  • 住所を文字ではなく画像にした
  • お知らせの詳細をpdfにした
  • 案件一覧、よくある質問、運営会社情報などのページを削除した

グーグルは主にサイトの文字を読み取って検索の順位を決定しています。文字情報を減らすことで、検索に引っかかりにくいようにしているのでしょう。

編集長 わさ
編集長 わさ
検索に引っかかりにくいようにして、投資家から逃げているような対応です。とても誠実とは思えません。

2019年11月13日:電話番号が変更される

2019年11月13日、トラストレンディングは電話番号を以下のように変更しました。

代表電話03-6271-9080
サポート窓口03-6271-9081
総合窓口03-6436-7905

これまでふたつあった電話連絡先をひとつに統一したのがわかります。トラストレンディングは電話連絡先をひとつに統一した理由について、以下のように説明しています。

これまでエーアイトラストの代表電話とトラストレンディングのサポート窓口を別回線で準備していましたが、現状、当社はファンド資金の回収業務に特化しておりますので、今後は内容問わず上記の総合窓口にて承ることとしました。
[出典:https://www.trust-lending.net/topics/2019/20191108_op.php]

編集長 わさ
編集長 わさ
トラストレンディングは2019年6月にも電話番号を変更しています。頻繁に電話番号を変更して、投資家から逃げようとしているように感じられます。

2019年11月現在の状況とトラストレンディングの今後

トラストレンディングは各ファンドについて、コチラのPDFで11月11日時点の状況を公開しています。

どのファンドにも大きな進捗はなく、厳しい状況です。

訴訟についてはあおい法律事務所が被害者の二次募集まで終了しています。enjinマトマリではまだ集団訴訟の参加者を募集しています。

今後は裁判が進めば、真実が明らかになってくるかもしれません。

トラストレンディングはグルなのか


先ほど、トラストレンディングが行政処分を受けてしまった理由には以下のふたつがあると解説しました。

  • トラストレンディングが投資家をだましていた
  • 融資先がトラストレンディングと投資家をだましていた

真実はどちらなのでしょうか。いろんな意見があると思いますが、私はトラストレンディングが投資家をだましていたのではないかと考えています。

その理由は以下の5つです。

それぞれ見ていきましょう。

民事訴訟をするだけで刑事訴訟をしていない

コチラで解説したとおり、トラストレンディングは融資先を提訴しましたが、民事訴訟でした。

もし本当にだまされていたのなら、詐欺罪が成立するはずですから、刑事訴訟を起こすはずです。

トラストレンディングはなぜ、民事訴訟を起こすだけで刑事訴訟は起こさないのでしょうか。

「民事訴訟で時間稼ぎをするつもり」というのがトラストレンディングの本音なのではないでしょうか。

融資先を民事訴訟して時間を稼ぐという手段は明らかに詐欺をしていたみんなのクレジットも取っていました。

刑事訴訟をしなければ、トラストレンディングもみんなのクレジットと同じように詐欺に加担していると思われても仕方ないでしょう。

ちなみに、みんなのクレジットが起こした事件については以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
君はみんなのクレジット事件を知ってるか?【2019年12月最新】みなさんはみんなのクレジットというソーシャルレンディング事業者を知っていますか? この名前を苦い思い出とともに思い出す人もいるかも...

怪しいうわさがある人物を取締役にしている

今回、投資家のお金約15.8億円を持ち逃げした山本幸雄氏はトラストレンディングの役員でした。

そして、山本幸雄氏はかつて昭和ゴムの巨額資金流出に関わったと言われている人物です。

山本幸雄氏についてトラストレンディングに問い合わせた人のブログによると、トラストレンディングも山本幸雄氏が昭和ゴムの巨額資金流出問題に関わった可能性があるというのは認識していたようです。

トラストレンディングはなぜ、このような怪しい経歴がある人物を役員にしたのでしょうか。正常な神経を持つ会社なら、怪しい経歴がある人物に会社の重要なポジションを与えるのは避けるはずです。

★昭和ゴムの巨額資金流出問題

昭和ゴムの巨額資金流出問題とは、2008年に昭和ゴムという会社がファンドAPFに乗っ取られ、2011年までに約33.3億円を持ち逃げされてしまった事件です。

2008年6月、昭和ゴムは第三者割当増資を行い、ファンドAPFがこれに応じました。第三者割当増資とは、ざっくり言うと、新たに発行した株式を特定の個人や会社に買ってもらい、代わりに現金を手に入れる取引です。

第三者割当増資では株を買ってもらうため、ファンドAPFは35.7%の筆頭株主になりました。その代わり、昭和ゴムは12億円を手に入れます。

ファンドAPFは第三者割当増資に応じるにあたって、過半数の役員を送り込むことを条件としていました。

 

そして、ファンドAPFが筆頭株主になった3週間後、昭和ゴムが手に入れた12億円のうち、11億円はファンドAPFのグループ企業のもとに流出してしまいました。

また、ファンドAPFは昭和ゴムの資産にも手をつけはじめ、2011年までに33.3億円が流出しました。

ファンドAPFが役員の過半数を占めていたため、昭和ゴムは自社のお金が流れ出ていくのを見ていることしかできませんでした。

検索で出てこないようにしている

コチラの項でも解説しましたが、トラストレンディングは公式サイトが検索に引っかかりにくいようにいろいろ工夫しています。

これは投資家から逃げているようにしか見えず、誠実な対応とは言えません。

頻繁に連絡先を変更している

トラストレンディングは頻繁に電話連絡先を変更しています。今年に入ってから、2019年6月1日2019年11月13日の2回も電話連絡先が変わりました。

1回目はともかく、2回目は電話番号を変更する必然性が感じられません。電話番号を頻繁に変更することで、投資家から逃げているようにしか見えません。

被害額が大きいですから、投資家から苦情の電話が多くて業務に支障をきたしている可能性はあります。

しかし、どちらにしろ電話番号を変更するのは誠実な対応とは言えないでしょう。

ホームページを更新するだけでメールでの連絡をしない

投資被害にあった人によると、トラストレンディングはホームページを更新するだけで、投資家に対してメールでの連絡を行っていないようです。

これも不誠実な対応と言えるでしょう。

編集長 わさ
編集長 わさ
トラストレンディングがグルだと思う理由は、簡単に言うと、投資家に対して誠実な対応をしてないからなんだ。

もし本当に融資先にだまされていたのだとしたら、もっと全力でお金を回収する努力をするはずだよ。

第二のトラストレンディング事件にあわない対策


第二のトラストレンディング事件にあわないためには、どうしたらいいのでしょうか。

主に3つの対策が考えられます。

それぞれ見ていきましょう。

①高利回りに注意する

ソーシャルレンディングの利回りは平均すると7~8%程度ですが、利回りは2%から10%を超えるものまでさまざまです。

そして、詐欺を行うような事業者は短期間で多くのお金を集めるために利回りを高く設定する傾向にあります。トラストレンディングも利回りを高くして案件を募集していました。

利回りが高い案件には相応のリスクがあります。くれぐれも注意したほうがいいでしょう。

編集長 わさ
編集長 わさ
個人的には、ソーシャルレンディングでリスクに合ったリターンが得られるのは10%までだと考えています。

10%を超える案件は詐欺の可能性もありますし、貸し倒れが起こってお金が返ってこなくなる可能性もぐんと高くなるからです。

②分散投資する

ひとつの事業者に集中投資をしていると、その事業者が詐欺をしていた場合には、大きな損害を受けてしまうことになります。

大損害を防ぐためにも、分散して投資することは大切です。分散投資をしていれば、たとえ詐欺の被害にあっても、大損害は受けずにすみます。

分散投資は以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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【FPが解説】ソーシャルレンディングの分散投資についてわかりやすくソーシャルレンディング投資でいちばん大切なのはどんなことだと思いますか? このように聞かれたら、私は「分散投資すること」だと答えま...

③信頼できる事業者に投資する

ソーシャルレンディングでは信頼できる事業者に投資することがとても大切です。

ソーシャルレンディングでは融資先の返済が滞った時に投資家は何もできず、ソーシャルレンディング事業者にお金の回収を任せるしかないからです。

信頼できる事業者の選び方は、以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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トラストレンディングのまとめ

トラストレンディングは以下の理由で人気を集めたソーシャルレンディング事業者でした。

  • ほとんどの案件が担保付き
  • 利回り10%以上の高利回り案件が多かった
  • 役員に元官僚が多い
  • 公共事業への投資

しかし、多数の案件で虚偽の表示をしていたり、役員の山本幸雄氏が実質的に支配する会社に約15.8億円が流出したりしてしまいました。

その結果、関東財務局(金融庁)から2度の行政処分を受け、2度めの行政処分では金融商品取引業者の登録取消処分を受けました。登録取消処分を受けたソーシャルレンディング事業者はトラストレンディングが初めてでした。

そして、トラストレンディングは現在、投資家から損害賠償を求める集団訴訟を受けています。

トラストレンディングが起こした事件の年表は以下のとおりです。

2015年11月サービス開始
2016~2018年上半期順調に募集金額を伸ばす
2018年10月山本氏、松本氏が取締役に就任
2018年12月関東財務局から1ヶ月の業務停止命令を受ける
2019年2月5日トラストレンディングが貸付先に訴訟を提起
2019年2月19日山本氏が取締役を解任される
2019年3月関東財務局から登録取消処分を受ける
2019年5月5月分の分配金額を間違える
2019年6月1日オフィス移転・電話番号変更・人員整理
2019年8月2日トラストレンディングに対する集団訴訟が起こる
2019年8月16日貸金業者の登録を廃止する
2019年8月ごろ公式サイトが検索から消える
2019年11月13日電話番号が変更される

トラストレンディングが起こしたような事件に巻き込まれないためには、以下のことに気をつける必要があると考えられます。

慎重に投資するソーシャルレンディング事業者を選んでいきたいものです。

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